2020年8月31日(日本時間)米イリノイ州オリンピアフィールド・オリンピアフィールドCCで米男子ツアー『BMW選手権』最終日が行われた。
松山英樹が3位タイに入り、7年連続のプレーオフ最終戦『ツアー選手権』出場を決めた。
惜しくも3年ぶりの米ツアー優勝は成らなかったが、『ツアー選手権』への7年連続出場は偉業だ。
2007年に始まったプレーオフ史上、連続7年以上出場は過去4人しかいない。
松山は5人目で、もちろん日本人初だ。
松山英樹『BMW選手権』で3年ぶりの優勝を逃し惜しくも3位タイ
首位タイで出た世界ランク27位の松山英樹(レクサス)は3位タイとなり、3年ぶりのツアー優勝はならなかった。
3バーディ、2ボギーの69で回り、通算2アンダーの278。
通算4アンダーで並んだ世界ランク1位アメリカのダスティン・ジョンソン、同2位スペインのジョン・ラームには2打及ばなかった。
プレーオフにもつれ込んだ優勝争い。
一ホール目で難しい20メートルのバーディパットをねじ込んだラームの頭上に栄冠は輝いた。
最終組の松山は2番パー4で、ラフからの第2打を2メートルに寄せて最初のバーディを奪い、幸先良いスタートを切った。
続く3番パー4でボギーをたたいたが、6番パー3でグリーンの外から4メートルのパットを決めて2つ目のバーディー。
首位と1打差で折り返した。
スコアを伸ばしたい後半だったが、11番パー4でボギーを叩く。
第3打は高いアゴがすぐ目の前にあるバンカーショットだった。
左膝を曲げて打たなければならない、足場の悪い状態でのショットを強いられ、寄せられずに2パット。
それでも15番パー5では、イーグルこそ逃したが、わずか20センチほどのバーディーパットを難なく沈めるなど終盤まで優勝争いに加わった。
先にホールアウトしたラームがスコアを伸ばしていて、2打差を追って迎えた最終18番パー4の第2打をグリーン手前のバンカーに入れたところで、残念ながら優勝の可能性は消滅した。
ホールアウト後は収穫と課題を口にした。
「ショットが最後まで、思うようにコントロールできなかった中で、ここまで粘れたのはすごい収穫だ。
勝つためにはパットもそうですけど、それ以上にショット力が、もっともっと大事になるというのを痛感させられた」
前半でティーショットが右にいくことが多かったが、こう分析していた。
「1番や3番の、左がダメというところで、嫌がって右に逃げてしまった。
思い切って振っていけないところが、最後までアイアンにもつながっていた。
そこをしっかりと振っていければ、優勝争いをもっとできるんじゃないかなと思う」
賞金上位30人による『フェデックス・カップ・プレーオフの最終戦』。
9月4日からの『ツアー選手権』への出場権は手にした。
同選手権総合優勝者は1500万ドル:約16億5000万円を獲得する。
「まずはショットを立て直さないと、コンスタントに上位にいくことはないと思うので、そこをしっかりとやりたい」
と、いつものように切り替えを忘れない。
アメリカPGAの『フェデックスカップ』とは?
アメリカのPGAは10月に新シーズン入りし、翌年の8月までがレギュラーシーズンとなる。
ツアー出場選手には各大会での最終順位に応じてFedEx Cupポイント(以下:ポイント)が与えられる。
なおカットラインに届かず予選落ちとなった場合は0ポイントとなる。
現在のツアーでは、通常の大会は優勝者に500ポイントが付与される。
そして4つのメジャー大会とプレーヤーズ選手権は600ポイント、世界ゴルフ選手権:WGCは550ポイントが加算される。
また、チューリッヒ・クラシックのみ400点、全英オープンと世界ゴルフ選手権の同週に行われるPGAツアーについては300点が与えられる仕組みだ。
そのポイントを基にフェデックスカップ・プレーオフシリーズに突入する。
シリーズの3試合は下記のようになっている。
フェデックスカップ・プレーオフシリーズは、言わばサバイバル戦だ。
誰でも出場できるわけではなく、ポイントの上位者に限られ、さらに試合が進む事にカットされる。
『ノーザントラスト』に出場できるのは、フェデックスカップポイント上位125名。
『BMW選手権』では上位70名に出場選手は絞られる。
最終戦となる『ツアー選手権』には上位30名だけが進出できる。
最終戦の『ツアー選手権』では、シリーズ第2戦までに獲得しているFedEx Cupポイントに応じて、スストローク差を付けた状態から初日のプレーをスタートする。
したがって『ツアー選手権』優勝者が自動的にフェデックスカップ総合優勝となる仕組みだ。
なお、シリーズの総合優勝賞金が日本円で約16億5000万円というからただただ、驚くばかりだ。
松山英樹は、今年でこのサバイバル戦を7年連続で最終戦まで戦うことになった。
あまり注目されていないが、実は凄いことなのだ。