女子プロゴルファーの青木瀬令奈選手は、パワーゴルフが主流となっている現代の女子ツアーで、独自のプレースタイルを確立しています。
彼女の強みは、飛距離に頼るのではなく、正確なショットでコースを攻略する緻密なゲームメイクにあります。
そのプレースタイルを支えているのが、14本中8本がウッド系という特徴的なクラブセッティングです。
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青木瀬令奈選手はウッド系クラブが生命線
青木瀬令奈選手にとって、ウッド系クラブはスコアメイクに欠かせない生命線です。
彼女のドライバーの平均飛距離は約230ヤード。
そのため、セカンドショットでグリーンまで150〜210ヤード残ることが多く、この距離をウッド系クラブで狙っていく必要があります。
ウッド系クラブの中でも、特に3番ウッドは「ピンを狙うクラブ」として重要な役割を担い、ワンピン以内につけることを目標にしているとのことです。
また、9番ウッドをセッティングの軸とし、ウッド系の下の番手(9W、UT)は、距離の幅を狭めてピンポイントで狙えるようにしています。
【青木瀬令奈選手の番手別キャリー】
- ドライバー: 210〜215ヤード
- 3W: 195ヤード
- 5W: 185ヤード
- 7W: 175ヤード
- 9W: 168ヤード
- 5U: 165ヤード
- 6U: 153ヤード
- 7U: 148ヤード
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アマチュアがFW・UTを上手く打てない理由
ウッド系クラブのスペシャリストである青木瀬令奈選手は、アマチュアゴルファーがフェアウェイウッドやユーティリティを苦手とする理由についても言及しています。
1,ハードなクラブを選びがち
アマチュアは、プロが使用しているようなハードスペックのクラブを選びがちです。
しかし、プロは週6〜7日ゴルフをする中で、最大のパフォーマンスを発揮できるクラブを選んでいます。
アマチュアは、毎日同じ力感で振り抜くことが難しいので、自分に合ったクラブを選ぶことが重要です。
2,当てにいくスイング
フェアウェイウッドが苦手な人は、ボールをきれいに打とうとするあまり、100点満点の当たりを目指してしまいます。
その結果、当てにいったり、ボールを上げようとしたりして、スイングが緩んでしまいがちです。
青木選手は、60〜70点の当たりでも、ボールの赤道より下に刃を入れるイメージで、スピード感を持って打つことを推奨しています。
3,前傾姿勢の維持が不十分
フェアウェイウッドを打つ際、前傾姿勢をキープすることが非常に大切です。
短いアイアンであれば多少の上下動があってもボールは上がりますが、長いフェアウェイウッドは、前傾姿勢のブレがミスに直結します。
青木選手は、フェアウェイウッドも薄くターフを取るイメージでダウンブローに打つと言います。
ソールが広いウッドは、上から打ち込んでも刺さることはなく、勝手に滑って払い打ちになるのが特徴です。
そのため、ボールはあくまでも通過点と捉え、前傾姿勢をキープできる最大のスピードの一歩手前で振り抜くことが、上手く打つための秘訣だとしています。
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青木瀬令奈選手のクラブセッティング詳細
青木瀬令奈選手の安定したプレーを支えるクラブセッティングは、以下の通りです。
- ドライバー: ゼクシオX(9.5度)
3年ほど愛用しているクラブで、ボール初速の速さと、強く振ってもブレない再現性の高さを評価しています。
- フェアウェイウッド: 3W、5W、7W、9Wの4本
3Wは飛距離性能を重視して、スリクソンZF85を使用。5W、7W、9Wは、球の上がりやすさとつかまりを重視し、ゼクシオ10を選んでいます。
- ユーティリティ: 5U、6U、7Uの3本
5Uと6UはスリクソンZH65。7UはスリクソンZXハイブリッド。140〜170ヤードの距離をこの3本で打ち分けています。
- アイアン: 8I、9I、PWの3本
8Iは高弾道でピンを狙うZXi5。9IとPWは操作性を重視したZXi7のコンボセッティングです。
- ウェッジ: 50度、58度
地元のクラブメーカー、グラインドスタジオのウェッジを長年愛用。グースネックの形状を好み、使い込んだウェッジを丁寧に調整しながら使用しています。
- パター: スコッティキャメロンなど芝の状態や転がりの感覚によって頻繁に入れ替えるタイプです。
- ボール: Zスター♦
ドライバーではスピンが適正になり、アイアンやアプローチではスピンが入る、理想的なボールとして信頼しています。
女子ツアーで長きにわたりシード権を維持する青木選手の安定感は、自身のプレースタイルに合わせた緻密なクラブ選びと、それを支える確かな技術に裏打ちされていることがわかります。
青木瀬令奈選手 プロフィール
氏名 | 青木 瀬令奈(あおき せれな) |
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所属 | リシャール・ミル |
出身地 | 群馬県前橋市 |
生年月日 | 1993年2月8日 |
身長 | 153cm |
体重 | 50kg |
血液型 | O型 |
出身校 | 前橋商業高等学校(群馬県) |
プロテスト合格日 | 2011年7月28日 |
入会日 | 2011年8月1日(83期生) |
クラブ契約 | ダンロップ |
ボール契約 | ダンロップ |
ウェア契約 | グリップインターナショナル |
趣味 | 宝塚観劇、スポーツ観戦、映画鑑賞、ピアノ |
好きな色 | 黒、赤、青、ネイビー、グレー |
ゴルフ歴 | 7歳〜 |
師弟関係 | 大西翔太 |
公式サイト | https://serenagoods.base.shop/ |
まとめ
パワーゴルフが主流の女子ツアーにおいて、青木瀬令奈選手は飛距離に頼らない独自のプレースタイルで、9季連続のシードを獲得しています。
その強みを支えるのが、14本中8本がウッド系という特徴的なクラブセッティングです。
彼女は、ドライバーの平均飛距離が約230ヤードであるため、セカンドショットでグリーンまで150ヤード以上残る距離を、ウッド系クラブで正確に狙います。
特に9番ウッドを軸に、番手ごとの距離を狭く設定することで、ピンポイントでの攻略を可能にしています。
また、青木選手はアマチュアゴルファーがフェアウェイウッドを苦手とする原因として、ハードなクラブ選びや、ボールをきれいに打とうとする意識を挙げています。
彼女自身は、前傾姿勢をキープし、ダウンブローに打つことで、自然とボールが払い打ちになり、安定したショットを生み出しています。
このように、青木選手の安定したプレーは、自身のゴルフスタイルに合わせた緻密なクラブセッティングと、それらを使いこなす確かな技術に基づいていることがわかります。