2019年の全英女子オープン優勝以来、日本女子ゴルフ界のスターとして活躍してきた渋野日向子選手。
しかし、2024年シーズンは主戦場のアメリカでも日本でも思うような成績を残せず、スランプと報じられることもありました。
本記事では、彼女がスランプに陥ったとされる主な原因、そして2025年に向けた復調の兆しについて詳しく解説します。
渋野日向子選手がスランプに陥ったとされる主な原因
技術的な課題とクラブの見直し
渋野日向子選手は2024年シーズン、ショットの安定性に課題を抱えていたとされています。
特にドライバーショットの精度が低下し、フェアウェイキープ率が下がったことがスコアメイクに影響を与えました。
これに対応するため、彼女はクラブの見直しを行い、自身のスイングに合ったセッティングを模索しました。
メンタル面でのプレッシャー
2019年に全英女子オープンでメジャー初出場・初優勝という快挙を成し遂げた渋野日向子選手。
その“スマイルシンデレラ”としての鮮烈なデビューは、国内外のメディアやファンからの注目を一気に集めることになりました。
それ以降、どの大会でも「結果を出して当然」と見られる状況が続き、若干20代前半の彼女にとっては非常に大きなプレッシャーとなってのしかかっていったのです。
本人もメディアのインタビューで「結果を出さなければという焦りがあった」と語っていて、
試合中に“ミスを恐れてしまう自分”と戦う場面が増えたと振り返っています。
特に海外メジャーに参戦する中では、言語の壁や生活環境の違い、世界トッププレーヤーとの対峙といった外的ストレスも重なり、かつてのような“楽しむゴルフ”ができない時期もあったようです。
忘れてはならないのは、2019年全英女子オープンでの印象的なプレーぶりです。
ホール間の移動中にはキャディをしていたコーチと談笑しながら歩き、時折観客とハイタッチを交わすなど、常に笑顔でコースを楽しんでいた姿が話題になりました。
そのリラックスした姿勢が、あの歴史的優勝を生んだ原動力でもあります。
渋野選手には、今一度その“原点回帰”ともいえる自由で伸びやかなゴルフを思い出してもらいたい——。
プレッシャーを“責任”ではなく“後押し”と捉えられるようになったとき、彼女本来の輝きが再び戻ってくるはずです。
渋野日向子選手復調の兆しと取り組み
トレーニングメニューの強化
2025年シーズンに向けて、渋野日向子選手は従来の練習に加えてフィジカルトレーニングのメニューを刷新しました。
重点を置いているのは、体幹の安定性と肩・股関節の柔軟性で、“ブレない軸”を作ることによってスイングの安定感を高めることが狙いです。
彼女は週に複数回のジムセッションを取り入れ、体の左右差や可動域の改善、疲労回復のスピード向上にも取り組んでいます。
バランスディスクやケトルベル、スライドボードを用いた動的トレーニングを導入し、ゴルフスイングに直結する動作を意識した内容にシフトしています。
こうした取り組みにより、体幹の回転力と下半身の踏ん張りが向上し、スイングの再現性が高まってきています。
結果としてショットのバラつきが減少し、ラウンド中の“崩れないゴルフ”が戻ってきているとの声も聞かれます。
コーチとの連携と技術修正
技術面でも、渋野日向子選手はコーチとの密なコミュニケーションを通じてフォームの見直しに着手しています。
特にドライバーとアイアンの“入射角”を調整し、スピン量と方向性を安定させるスイング改良に注力。
一打一打における打点のブレを抑えることで、トーナメント後半でも崩れない精度の高いプレーを実現しようとしています。
また、パッティングの安定化も重要課題として取り上げられており、ラウンド中に発生する打ち急ぎやストロークの偏りを修正すべく、練習ラウンドでのパット数やライン取りの記録・分析を継続。
「データと感覚を両方使うのが自分に合っている」と語る渋野選手らしい、理詰めとフィーリングの融合が進んでいます。
ポジティブなマインドセットの再構築
メンタル面では、ポジティブなマインドセットの再構築を図り、プレッシャーを楽しむ姿勢を取り戻す努力をしています。
渋野選手は「ゴルフを楽しむことを忘れずに、自分らしいプレーを心がけたい」と語っており、笑顔を絶やさないプレースタイルが復調への鍵となっています。
まとめ|渋野日向子選手“笑顔のゴルフ”を取り戻す、その途中にある希望
スランプに見舞われた渋野日向子選手ですが、その背景には技術的な課題だけでなく、国民的スターとしての重圧があったことがわかります。
しかし彼女は、自らの課題に正面から向き合い、再び世界の舞台に立つべく取り組みを進めています。
笑顔を武器に躍動した2019年の姿を思い出しながら、2025年は“本来の自分”を取り戻す年となるでしょう。
その軌跡は、すべてのゴルファーにとっても大いなるヒントになるはずです。