高校生だった勝みなみ選手は、2014年のJLPGAツアー「KKT杯バンテリンレディス」に出場し、勝利する。
ツアー史上最年少のアマチュア優勝でもあった偉業は、日本のゴルフ界に強い衝撃を与えたのはいうまでもない。
そして、17年のプロテストに一発合格でプロ転向。
翌2018年にはレギュラーツアー初優勝。
2021年の「日本女子オープン」で国内メジャー初優勝。
実に輝かしいゴルフの道を歩んできたのが勝みなみだ。
したがって、勝みなみが日本ツアーに飽き足らず、アメリカツアーへ挑戦するのはごく自然の成り行きと言えるだろう。
浅倉南と勝みなみ
そして今、彼女が米ツアーで戦う心強い味方であり武器――すなわちクラブセッティングに、大きな注目が集まっている。
飛距離、コントロール、スピン性能……すべてをバランスよく備えた彼女のクラブ構成には、勝負師としての知性と経験が生かされている。
本記事では彼女のプロフィール及び、クラブセッティングなどについて徹底解説する。
注:プロは頻繁にクラブ調整を行います。
したがって記事と実際使用するギアセッティングとは異なることがあります。
岩井ツインズのセッテングについてはコチラの記事をご覧ください。
勝みなみ選手の概略とプロフィール一覧
勝みなみ選手は8歳でクラブを握り、12歳で全国小学生大会を制覇。
中学3年で全国中学校春季大会を優勝し才能が開花した。
鹿児島高等学校在学中の2014年、レギュラーツアー「KKT杯バンテリンレディス」で史上最年少アマチュア優勝を達成。
2017年にプロ入りし、ステップ・アップ・ツアーを経て2018年「大王製紙エリエールレディス」でレギュラーツアー初優勝。
2021年の日本女子オープンでメジャー初制覇、2022年は日本女子オープン連覇と「楽天スーパーレディース」でツアー初の72ホール・ノーボギー優勝を成し遂げた。
2023年から主戦場を米国へ移し、スケールの大きなゴルフで更なる飛躍を目指している。
なお、名前の「みなみ」は母が漫画『タッチ』の浅倉南に因んで名付けた。
勝みなみ選手のプロフィール一覧
氏名 | 勝 みなみ(Minami Katsu) |
---|---|
生年月日 | 1998年7月1日(27歳) |
出身地 | 鹿児島県鹿児島市 |
国籍 | 日本 |
身長/体重 | 157cm/56kg |
血液型 | AB型 |
出身校 | 鹿児島高等学校 |
ゴルフ歴 | 8歳〜 |
プロ転向 | 2017年(JLPGA 89期生) |
主戦場 | 日本(〜2022)、米国(2023〜) |
得意クラブ | ドライバー |
趣味 | 映画鑑賞、スポーツ観戦 |
主な戦績 | ・2014年 KKT杯バンテリンレディス(アマチュア優勝・史上最年少) ・2018年 大王製紙エリエールレディス(プロとしてレギュラーツアー初優勝) ・2021年 日本女子オープン(メジャー初優勝) ・2022年 楽天スーパーレディース(ツアー初・72ホールノーボギー優勝) ・2022年 日本女子オープン(連覇) |
ツアー通算 | 8勝(アマチュア時の勝利を含む) |
勝みなみ選手のクラブセッティング|2025年ファウンダーズカップ取材
ドライバー|操作性と弾道安定を両立
スリクソン ZX7 Mk II(9.5度)を使用。
シャフトはディアマナ GT(45.25インチ、50g台、S)。
手元側にしなりを持たせた仕様で、スムーズな切り返しとタイミングの取りやすさを実現。
米国ツアーの硬いフェアウェイにも対応した設定といえる。
フェアウェイウッド&ユーティリティ|多彩な状況での対応力
・3W:スリクソン ZX Mk II(15度)/ディアマナ GT(60g台・S)
・5W:スリクソン ZX Mk II(18度)/ディアマナ プロトタイプ(S)
・4UT(22度)・5UT(25度):スリクソン ZXi/ディアマナ Thump 465(S)
フェアウェイウッドでは距離と高さのバランス、ユーティリティではラフや傾斜地からの対応力を重視。
どの番手も明確な役割を持ち、コース攻略に余念がない。
アイアン|スピンと操作性に優れた精密仕様
スリクソン Z-FORGED II(6番~PW)を選択。
シャフトはNSプロ 950GH neo(X)で、安定したインパクトを生む重量設計。
球筋をコントロールする力とスピン性能に優れ、ピンポイントでグリーンを狙える精密な武器。
ウェッジ|勝負を決める短距離武器
・クリーブランド RTZ(50度、54度、58度)
シャフトはアイアン同様NSプロ 950GH neo(X)で統一。
米国の硬くて速いグリーンでも強烈なスピンとキレで勝負できる。
パター|構えやすさと安定感を両立
WHITE HOT VERSA ONE CHパター(プロトタイプ)。
オデッセイの中でも視覚的にラインを出しやすいモデルで、構えやすさと直進性を重視した設計。
パッティングの再現性を高めることで、勝負所での一打を支える。
ボール|Z-STAR ダイヤモンド〈2025年〉で勝負
愛用ボールはスリクソン Z-STAR ダイヤモンド(2025年モデル)。
飛距離とスピン性能のバランスに優れ、全番手で安定した性能を発揮する。
勝みなみ選手の現在地と未来、ファンが望むこととは?
高校生で日本女子ツアーKKT杯バンテリンレディスを制し、ゴルフ界に大きな衝撃を与えた勝みなみ選手。
その勝利を目の当たりにした同世代や後輩の中には、大里桃子選手をはじめプロゴルファーを目指すきっかけとなった者も少なくない。
言動から察するに姉御肌な一面もあり、笑顔もいい。
仲間や後輩への気遣いも厚いと思われる。
だからこそ、ファンが彼女に寄せる期待は単なる「アメリカでの勝利」だけではない。
若い世代の先頭に立ち、日本女子ゴルフ界を引っ張る原動力になれる存在だ。
おおらかな性格とスケールの大きなゴルフは、アメリカでもきっと通用するはずだ。
堂々とした戦いの中で一日も早くアメリカで一勝し、後輩たちに夢と道筋を示してほしいと切に願うファンは多いはず。
勝みなみ選手には、それができるだけの実力とバックボーンがある。
まとめ|勝みなみ選手“挑戦”の本質
勝みなみ選手のクラブセッティングは、単なる“道具選び”にとどまらない。
世界基準で戦うための準備、そして勝負へのこだわりが詰まっている。
過酷な環境と言われて久しい米国ツアーでも通用するように、一つひとつのクラブ選択には意味があり、戦略がある。
彼女の挑戦は、まだまだ続く。
そして、その背中に私たちは新しい時代の希望とフラッグを見つけるのだ。