渋野選手のスイングには、アマチュアゴルファの参考になるポイントがたくさんあります。
ただし、あまり真似することはお勧めできない点もあります。
渋野選手の7番アイアンショットを写真で確認しながら、アマチュアゴルファはどこを真似て、どの部分は真似ない方がよいかを一緒に考えていきましょう。
渋野日向子選手のスイングで、ここはアマが真似をしてはいけない!
渋野日向子選手のスイングの大きな特徴の一つが掌屈(しょうくつ)。
しょうくつとは、トップポジションで左手の甲が真上の空を向く動作です。
写真の赤丸で囲ったところを見るとわかると思います。
これは、プロゴルファでも珍しい動きですね。
実は渋野選手本人が、その掌屈を直したほうが良いのではと悩んでいた時期があったようです。
なぜ悩んだかというと、掌屈はフェースがクローズになりやすく、球筋はドローボール。
飛距離は出るのですが、曲がりが大きいくなる恐れもあり、ショットの乱れにつながりかねない危険もあるのです。
しかし渋野選手の師匠であった青木コーチは個性だからという理由で、この掌屈をあえて直さなかったそうです。
青木コーチは個性=自然な動きと考えてそのままにしたのだと言う。
教科書通りだといじりたくなりますが、個性を尊重した育成方針を貫いたわけですね。
男子ではダステン・ジョンソン、日本の女子では上田桃子がこれに近いトップです。
だが、アマチュアのあなたは真似るのをやめた方が良いでしょう。
アマでも、渋野選手のように自然と掌屈になる人をたまに見かけますが、手首にかなりの柔軟性を求められますので、おすすめしません。
先ほど書いたようにクラブフェースがクローズに降りてきますので、極端なフックやヒッカケに悩まされますので、ご注意ください。
この『掌屈』を除けば、渋野選手からアマチュアゴルファが学ぶべきポイントは、実にたくさんあります。
特に非力な女性は見逃さないようにしてください。
しかし、それにしても渋野選手は大試合に強いですね。
まだまだ出場数が少ないメジャー大会において全英女子オープン優勝、全米女子オープン4位ですからこれはもうスゴイ!と素直に脱帽以外ありません。
長い間アメリカのLPGAを本拠地として活躍した、岡本綾子、小林浩美、宮里藍がどうしても果たせなかったメジャー制覇を軽々とやってしまうのだから、まさしく稀有な選手。
アメリカツアーで揉まれたら、もっともっと強くなるでしょう。
渋野選手にとって今年は、大きな分岐の年なのかも知れません。
だが、類まれなるメンタルの持ち主、渋野日向子はきっと良い方向を選択するでしょう。
もう一段のパワーアップを期待したい。
それでは、アマチュアゴルファが渋野日向子選手から大いに学ぶべき、スイングの長所を見ていきましょう。
渋野選手のスイングで、アマチュアゴルファはここを大いに真似よう!
それでは7番アイアンの渋野日向子選手のスイングを見ていきましょう。
アマが参考にすべき点はたくさんありますよ。
渋野選手のスイングは深い前傾と重心の低いアドレスが特徴。
両腕の三角形をキープし、下半身主導のボディターンでフィニッシュまで一気呵成に振り抜きます。
渋野選手のアイアンショットはコンパクトなトップに見えますが、右の背中が正面から見えるぐらい深く肩が入っていて、捻転は十分です。
ここはアマチュアゴルファが参考にすべきです。
特に非力な女性は、この深い捻転が飛距離につながりますので、頭に入れてください。
7番アイアンのアドレス
《7番アイアンアドレス》
渋野選手7番アイアンのタンス幅は肩幅より若干広めの、いわゆるワイドスタンスです。
胸の上に乗せた両腕はリラックスし、綺麗な三角形が形成されているのが分かると思います。
アドレスではボールはほぼ左目の真下にセットされ、左腕とシャフトが一直線になるハンドファースト。
7番アイアンバックスイング開始
《7番アイアンバックスイング開始》
左のお腹と左肩がねじれ、右足に体重が移っています。
両腕の三角形を変えず、きれいな形を保ってテークバックに入っています。
アマチュアゴルファに真似して欲しいポイントは左手のグリップ。
しっかりと握り、低く押し込むように引き始めるところを良く頭に入れておきましょう。
写真ではちょっとわかりにくいかも知れませんが、胸が右斜め下を向き、手元が低いままバックスイングしています。
構えた時の手首の角度が変わらないまま、右股関節に体重を乗せています。
左腕が低く動くと肩が深く入り、クラブヘッドは自然体で上がっていきます。
アマチュアの多くはバックスイング時に、手先でクラブを上に挙げようとします。
すると逆にコックが入らずに肩関節が持ち上ってしまうので、上体の捻転が浅くなりがちなので注意しましょう。
7番アイアントップからの切り替えし
《7番アイアントップからの切り替えし》
コンパクトなトップに見えますが、お腹のねじれが写真でもわかります。
これで右の背中が正面から見えるぐらい、深く上体が捻転するのです。
そして特徴的なのが切り返す瞬間、左手首を掌屈しシャローアウトさせる動きです。
これは、アマチュアゴルファが真似しなくて良い部分です。
7番アイアンダウンスイング
《7番アイアンダウンスイング》
切り返しで右股関節から左股関節に体重を移動させ下半身リードがよくわかります。
まだ胸は右を向いたまま、胸と手の距離が変わらない深いタメが作れていますね。
アマチュアゴルファが参考にすべき点は、左腰と左肩の高さが変わらずにダウンスイングしているところ。
重心が低くキープされている部分ですね。
両足でしっかり地面をつかみ、ボールを強く叩ける格好ができています。
この姿勢や形は無理に作るものでも、作られるものでもありません。
先の写真のような、正しいバックスイングがあってこそ生まれるのです。
グリップエンドがボールの少し先を指したあたりで、右腕のリリースが始まります。
よ~く写真を見てください。
グリップエンドが見事にボールを指しています。
渋野選手のようにギリギリまで胸の開きが抑えられると、クラブヘッドは自然にダウンブローでボールをとらえます。
繰り返しますが、トップからの切り替えしとダウンスイングだけで、このような形が作れるわけではありません。
正しいグリップ、正しいアドレスによるバックスイングがあればこそ、このようなトップとダウンスイングができるのです。
7番アイアンインパクト
渋野選手のインパクトでの腰の開きと胸の開き具合を良く見ると、スイングの素晴らしさが分かります。
腰の開きに比べて、胸の開きが小さい。
上体を残したまま、下半身リードができているとこのようになります。
頭がしっかり残った理想的な形でインパクトです。
そして、ハンドファーストの形でインパクトしているから、左足の前で左腕とシャフトが一直線になっています。
7番アイアンフォロー
《7番アイアンフォロー》
左股関節に体重がしっかり乗って腰が切れ 、まったく詰まることなく実にスムースに左へ振り抜けています。
インパクト後に腰の回転が止まると、スムースに腕を振り抜けなくなり、ヒジが引けたり、左ではなく上方向にクラブを振ってしまい、飛距離のロスや曲がるなどミスショットの原因になります。
左足の上に体重がしっかり乗り、腰が回り切っているのが分かります。
右腕が伸びて、大きなスイングアークを描きながらフィニッシュへと向かいます。
7番アイアンフィニッシュ
《7番アイアンフィニッシュ》
左足の上まで右腰が回り切り、右足は綺麗に伸びてツマ先立ちで、背中が全部見えるほど上半身も回りきっています。
素晴らしいですね、きれいですね。
両腕が体に巻き付くような、とてもバランスの良いフィニッシュです。
渋野日向子選手の略歴と主な戦績
渋野日向子(しぶの ひなこ)選手のプロフィール
生年月日 | 1998年11月15日 22歳:2021年12月現在 |
出身地 | 岡山県岡山市 |
身 長 | 165cm |
体 重 | 62kg |
血液型 | AB型 |
兄 弟 | 姉と妹の3人兄弟 |
趣 味 | 習字・ソフトボール |
好きな色 | ピンク |
◎主な戦績
・2019年 大王製紙エリエールレディスオープン 優勝
・2019年 デサントレディース東海クラシック 優勝
・2019年 AIG全英女子オープン 優勝
・2019年 資生堂 アネッサ レディスオープン 優勝
・2019年 ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 優勝
・2020年全米女子オープン4位
コメント
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