はじめてのゴルフ。
ボールがまっすぐ飛ばない、ルールもよくわからない──でもなぜか、また行きたくなる。
そんな不思議な魅力で人を虜にするのが、ゴルフです。
上手くなる前に、大切なことがあります。
それは、楽しむこと。
高価な用具やスコアよりも、「誰と笑ったか」「何を感じたか」が、あなたのゴルフ人生に大いなる影響を与えるでしょう。
ここでは、初心者の方がより楽しく、より自分らしくプレーできるように、11のシンプルな“心得”をまとめました。
スコアに追われるより、まずはゴルフと仲良くなることから始めましょう。
初心者が楽しくゴルフをするための11ヵ条
― 心がほどける、ゴルフの入口で ―
第一条|完璧を求めず、ナイスミスを楽しむ
ゴルフは「うまくいかないこと」を楽しむゲーム。
プロでもミスはするし、むしろ一打一打の揺れ幅こそがゴルフの醍醐味。
空振りして笑う、トップして笑う──
そんなひとコマひとコマが、ゴルフ仲間との距離を縮めてくれます。
「ナイスショット!」「ドンマイ、ドンマイ」と同伴者に声をかけられる人になれたら、あなたはもう立派な“ゴルファー”です。
第二条|最初は道具よりも仲間
初心者のうちは、高価なクラブや高性能のボールよりも、一緒にまわってくれる人の存在が何より大切。
「いいよ、そのまま打って」「ナイス!グッド!」そんな一言で不安が和らぎ、自然と笑顔がこぼれます。
ゴルフの初期は“どう、うまく打つか”より“誰とする”かが、あなたのゴルフ人生に大きな影響を与えるスポーツです。
技術よりも、まずはマナーやルールをきちんと教えてくれる人に出会えたら、あなたの未来も見えてくるでしょう。
第三条|ルールは守るが、堅苦しくならない
ルールやマナーを知っておくのは、ゴルファーとしての基本中の基本です。
ルールを守らなければスポーツとは言えません。
でも、そればかりに神経を集中しすぎると、楽しさを忘れてしまいます。
どうするべきか迷うことがあったら「同伴者が不快に思わないか」を基準に考えましょう。
周囲に迷惑をかけなければ、たいがいはOKです。
ただし、誰も気づかなかった空振りもきちんと一打に数えましょう。
ゴルフに審判はいません。
プレーするのも判定するのも自分自身です。
自分を律し、他人との関係性を磨く“紳士、淑女のゲーム”でもあるのです。
楽しく厳しくが、ゴルフの基本です。
第四条|とにかく前を向こう
ダフっても、OBでも、ナイスショットでも、1打は1打。
ミスって落ち込むよりも、「次はどう打つか」に気持ちを切り替えることが、ゴルフには大切な発想で、大きな武器になります。
人生と同じで、ミスっても上手く行っても、ボールは前にしか飛びません。
失敗も成功も、前に進むチャンスなのです。
第五条|すべて揃っていなくても、始められる
最初から14本のクラブすべてを完璧に揃える必要はありません。
大事なのは、コースで実際にボールを打ってみること。
最初は中古クラブでもかまいません。
「何を使うか」より、「クラブになじむこと、愛着を持つこと」が大事。
クラブは道具であると同時に、“あなたの大切な相棒”でもあるのです。
第六条|練習場とコースは違う
練習場ではマットの上で同じライ、平坦な足場で打ちます。
そして、何球でもやり直しができます。
でもコースには傾斜があり、打つ場所によって芝の長さが違い、風も吹く、そして一発勝負……すべてが違います。
だから、失敗して当たり前。
もしも、うまく打てたなら、それはまぐれかも知れません。
次に失敗しても落ち込んだり、考え込むのはやめましょう。
練習と一発勝負の本番は、違って当然なのです。
練習場では、一球一球を大切にする。
コースでは一打一打により集中する。
それを心がけましょう。
第七条|プレーは素早く、気持ちはゆっくり
初心者ほど多く打ちます。
だから「同伴者を待たせない」「テンポよく、速やかに動く」ことが大切なのです。
ただし、焦りすぎたプレーは、心もスイングも乱れてしまい、さらに時間を要します。
“動きは早く、心はゆっくり”が理想のゴルフスタイルです。
第八条|芝を大切に、人も大切に
ゴルフ場は自然と人の手によってつくられた特別な舞台。
ディボットやバンカーを直す行為は、ゴルフ場と次のプレーヤーへの気配りそのもの。
マナーを守り、ルールーに従うことの積み重ねが、プレーヤーとしての品格をつくります。
芝を大切にできる人は、人を大切にできる人です。
第九条|「ありがとう」はスコアより大事
一緒にまわる仲間、カートを用意してくれるスタッフ、アドバイスをくれる先輩。
キャデイさんがついてら、キャディさんに。
すべての人に「ありがとう」と言えたなら、そのラウンド、その一日は、きっとあなたの心に残るはず。
スコアより先に、感謝の心を持てる人がゴルフを深く長く楽しめる人です。
第十条|景色を楽しむ余裕を持つ
広がる青空、流れる雲、ゆれる梢と小鳥のさえずり。
ゴルフ場は“歩きまわれる大規模な美術館”のようなものです。
自然と共にあるこのスポーツは、五感で楽しむことに価値があります。
ボールだけでなく、眼前に広がる素敵な風景にも目を向けてください。
第十一条|ゴルフは一生の遊び
ゴルフには“引退”がありません。
70歳を過ぎても、90を超えても、歩いて、振って、笑えるスポーツです。
年齢も性別も、技術や体格の優劣も越えて、誰もが“自分の楽しみ方”を見つけられるのがゴルフです。
だからこそ、最初の一歩は気負わず焦らず臆せず、じっくりと進めましょう。