毎年6月に開催される「全米女子プロゴルフ選手権(KPMG Women’s PGA Championship)」。
LPGAメジャー5大会のひとつとして知られ、世界中のトップ女子ゴルファーが激突する舞台です。
2025年大会はテキサス州フリスコの「フィールズランチ イースト at PGAフリスコ」で開催され、日本勢からも多くの選手が出場予定です。
この記事では大会の歴史や特徴、注目選手、日本人選手の活躍に焦点を当てて詳しくご紹介します。
全米女子プロゴルフ選手権とはどんな大会か
「全米女子プロゴルフ選手権」は、米女子プロゴルフ協会(LPGA)と全米プロゴルフ協会(PGA of America)が主催する女子メジャー大会です。
男子で言えば「全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)」に相当する由緒あるトーナメントで、女子プロゴルフ界でも伝統と格式を誇ります。
2015年からはKPMGがタイトルスポンサーとなり、大会名も「KPMG Women’s PGA Championship」となりました。
全米女子プロゴルフ選手権大会の歴史
第1回大会は1955年に開催され、当初は「LPGA Championship」としてスタートしました。
歴代優勝者には伝説的なプレーヤーが名を連ねており、女子ゴルフ史を彩る重要な大会です。
賞金額や開催地も年々スケールアップしており、現在は世界ランキングにも大きく影響するメジャーの中核をなしています。
全米女子プロゴルフ選手権2025年大会概要
- 大会名:2025 KPMG Women’s PGA Championship
- 日程:2025年6月19日(木)~6月22日(日)
- 開催地:フィールズランチ イースト at PGAフリスコ(テキサス州フリスコ)
- 主催:PGA of America/LPGA
- 賞金総額:未発表(2024年は1,560,000ドル)
全米女子ゴルフ選手権、日本人選手の優勝と活躍
樋口久子、日本人初のメジャー制覇
1977年、樋口久子選手はサウスカロライナ州のベイツリー・ゴルフプランテーションで開催された「全米女子プロゴルフ選手権」で優勝します。
これは男女を通じて日本人初のメジャー制覇です。
最終日に「69」をマークし、2位に3打差をつける圧巻の勝利でした。
この快挙はアジア人としても初のメジャー優勝であり、世界中のゴルフ界に衝撃を与えました。
渋野日向子選手が2019年「AIG全英女子オープン」で優勝しましたが、日本人のメジャー制覇は何と、42年ぶりの事でした。
樋口久子選手の1977年「全米女子プロゴルフ選手権優勝」が、いかに偉大だったか改めて認識させてくれたのです。
その後の日本人選手の活躍
樋口選手の偉業から数十年、日本人選手は世界の舞台で着実に実績を積み重ねてきました。
先ほど述べたように、2019年に渋野日向子選手が「AIG全英女子オープン」で優勝。
2021年と2024年には笹生優花選手が「全米女子オープン」で2度の優勝します。
2024年には古江彩佳選手が「アムンディ エビアン選手権」でメジャー初制覇を遂げました。
さらに、2025年4月には西郷真央選手が「シェブロン選手権」で優勝し、日本人女子ゴルファーが5大メジャーすべてでタイトルを獲得する快挙を達成しました。
これらの成果は、樋口久子選手の先駆的な活躍があればこそでしょう。
日本女子ゴルフ界の発展は今後も続き、世界での存在感は大きくなるばかりです。
全米女子プロゴルフ選手権、これまでの主な開催コース
- バルタスロールGC(ニュージャージー州)
- アロニミンクGC(ペンシルベニア州)
- ヘーゼルティン・ナショナルGC(ミネソタ州)
- カンブリアン・リッジ(アラバマ州)
- サハリーCC(ワシントン州)
全米女子プロゴルフ選手権、主な歴代優勝者
年 | 優勝者 | 国籍 |
---|---|---|
2024年 | エイミー・ヤン | 韓国 |
2023年 | イン・ルオニン | 中国 |
2022年 | チョン・インジ | 韓国 |
2019年 | ハンナ・グリーン | オーストラリア |
2015年 | インビー・パーク | 韓国 |
全米女子プロゴルフ選手権の最多優勝者
歴代最多優勝は ミッキー・ライト の4勝(1958年、1960年、1961年、1963年)です。3勝で並ぶのは以下の選手たちです。
- キャシー・ウィットワース(1967, 1971, 1975)
- ナンシー・ロペス(1978, 1985, 1989)
- パティ・シーハン(1983, 1984, 1993)
- アニカ・ソレンスタム(2003, 2004, 2005)
- 朴セリ(1998, 2002, 2006)
- 朴仁妃(2013, 2014, 2015)
全米女子プロゴルフ選手権の連勝記録
- 3連勝:アニカ・ソレンスタム(2003〜2005)、朴仁妃(2013〜2015)
- 2連勝:ミッキー・ライト(1960〜61)、パティ・シーハン(1983〜84)、ジュリ・インクスター(1999〜2000)
年齢に関する記録
最年長優勝:
- ベッツィ・ロールズ(1969年)41歳2カ月23日
- ジュリ・インクスター(2000年)40歳1日
- クリス・ジョンソン(1997年)39歳23日
最年少優勝:
- ブルック・ヘンダーソン(2016年)18歳9カ月2日
- ツェン・ヤニ(2008年)19歳4カ月16日
- サンドラ・ポスト(1968年)20歳19日
- 朴セリ(1998年)20歳7カ月19日
最多差&最大逆転優勝
- 最多差優勝: 12打差 クリスティ・カー(2010年)
- 最大逆転優勝: 7打差 パティ・シーハン(1983年)
まとめ
「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」は、女子ゴルフにおける最高峰の舞台のひとつです。
2025年大会はアメリカ・テキサス州で開催され、日本勢も優勝争いに加わることが期待されます。
過去の歴史を紐解きながら、今年の戦いにも注目しましょう。