ゴルフを愛する者なら誰もが憧れる「廣野ゴルフ倶楽部」。
兵庫県三木市に位置し、世界ランキングでも常に上位に名を連ねるこの名門コースを、今回実際にプレーしてきました。
その圧倒的な美観と戦略性、そしてホスピタリティに感動した体験をレポートします。
廣野ゴルフ倶楽部とは
廣野ゴルフ倶楽部は1932年6月19日の開場。
設計は世界的に有名なチャールズ・ヒュー・アリソン。
自然の地形を活かしたレイアウトと、アリソンバンカーに代表される戦略的なディテールで、世界中のゴルファーを魅了しています。
当初は9ホールでスタートし、同年5月16日に18ホールが竣工されました。
開場記念競技には180名が参加し、朝香宮殿下の始球式で幕を開けました。
◎18ホールのパー72
◎チャンピオンティーから7,015ヤード
各ホールは松林でセパレートされ、自然の地形を活かした設計が秀逸で、一度プレーしたら生涯心に残り続ける名門中の名門です。
特にアリソンバンカーと呼ばれる深くてアゴの高いバンカーが戦略性を高め、日本オープンを5回開催しています。
廣野ゴルフ倶楽部公式ページ
廣野ゴルフ倶楽部の日本オープン開催実績
第12回(1939年)
第20回(1955年)
第25回(1960年)
第32回(1967年)
第70回(2005年)
また、日本アマチュアゴルフ選手権も11回開催され、国内外のトップアマチュアゴルファーが集う舞台としても知られています。
廣野ゴルフ倶楽部で実際にプレーしてみた感想
コースの美しさと手入れの完璧さに圧倒
廣野ゴルフ倶楽部の真髄は、コース全体に高級感を漂わせながらも圧倒的なその戦略性にあります。
廣野での18ホールは、まさに知恵と技術、そして胆力を試される戦いでした。
まず驚かされたのは、ティーショットの重要性。
フェアウェイは一見広く見えますが、絶妙に配置されたバンカーや、緩やかなうねりによって落とし所が絞り込まれているのです。
ただ飛ばすだけでは、次のショットが打ちにくいポジションに追い込まれます。
狙いどころを明確にし、正確なショットを繰り出す勇気と技術が求められるのです。
セカンドショットもまた気を抜けません。
グリーンは一見平坦に見えても、微妙な傾斜や受けが隠されていて、ピン位置によって狙い方が大きく変わります。
特に、グリーン周囲を守るアリソンバンカーは圧巻。
その深さとアゴの高さは「ミスショットは絶対に許さない」というコース設計者からの無言のメッセージのようで、目の前に立った瞬間、自然と背筋が伸びました。
この絶え間ない環境変化が、プレーヤーに冷静な判断力と柔軟な対応力を求めてきます。
廣野の18ホールには、いわゆる「楽なホール」が存在しません。
一打一打に明確な意図を持ち、リスクとリターンを計算しながら進まなければならないのです。
それでいて、難しいだけではなく、成功した時の達成感は他のどんなコースにも代えがたいものがありました。
廣野は、単なる技術ではなく、ゴルファーとしての総合力を試す舞台。
自分のゴルフの現在地を冷静に教えてくれる、そんな存在でした。
感心したのはキャディさんです。
廣野ゴルフ俱楽部のキャディさんは素晴らしいの一言。
アドバイスは適格、行動は落ち着きながらもキビキビ、まさしくプロです。
メンバーさんとビジターを差別したり区別するような言動は、一切ありません。
廣野ゴルフ倶楽部で特に印象に残ったバンカーショットの体験
廣野ゴルフ倶楽部のバンカーは、まさに“試練”そのものです。
セカンドショットを少し右に外し、アリソンバンカーの中へ。
近づいてみると、想像以上に高くそびえるバンカーの壁に息を呑みました。
ボールはアゴの近くで、ほぼ直角に見えてしまうからビビってしまいます。
通常のバンカーショットでは太刀打ちできません。
新調したばかりの64度で、思いっきりスイング。
あら不思議。
何とか脱出に成功。
ボールを直接打ったつもりが、かなり砂は削られていました。
廣野のバンカーも凄いが64度も、なかなかのもの。
もうこれは手放せません。
それにしても、さすがアリソンがつくった、アリソンバンカーです。
廣野ゴルフ倶楽部で攻略をミスったホールのエピソード
廣野ゴルフ倶楽部でもうひとつ、強く印象に残ったのは9番ホール(Par 5)での失敗です。
広く見えるフェアウェイに安心してドライバーを振り抜き、豪快なティーショットを放ったものの、わずかに左にそれてフェアウェイバンカーへ。
バンカーから無理に長いクラブでショットを試みた結果、クラブが砂に食われてミスヒット。
ボールは、わずか数ヤード先に転がるだけ。
その後も無理にリカバリーを狙ってミスを重ね、結果的に9打も要してしまう大叩きに。
廣野は「リスクとリターンを冷静に見極めること」が何よりも大切だということを、痛感させられたホールでした。
「無理をしない」「欲張らない」──
廣野は、ゴルファーのメンタルをも静かに試してきます。
廣野ゴルフ倶楽部で印象に残った他のホール
▶5番ホール(Par 3)
池越えのショートホールで、景観もショットの緊張感も最高。
グリーンの傾斜と周囲のバンカー配置が絶妙で、ここでパーをとれたのは一生の宝。
決して、大げさではありません。
▶17番ホール(Par 3)
再び池越え。
ティーショットに最高レベルの集中力が求められます。
グリーン周りの難易度も高く、
廣野の総仕上げにふさわしい名物ホールでした。
廣野ゴルフ倶楽部で、戦略性の高さに心を奪われる
廣野ゴルフ倶楽部では単に飛ばすだけではスコアにならず、ショットの落とし所や風の読みが重要。
特に2打目以降の選択肢が多く、マネジメント力が問われる18ホールは本当に奥深いものでした。
重厚感あふれるクラブハウスと、行き届いたスタッフの対応にも感動。
廣野ゴルフ俱楽部について詳しくはコチラ↓
廣野ゴルフ倶楽部で注意すべき事
驚いたのは、廣野ゴルフ倶楽部のメンバーはティーグランドに立つと素振りをしません。
セカンドショットもサードショットもです。
そして、プレーはスリーサムが基本。
カートはキャディバッグを3つしか積めない仕様になっています。
四人で回る場合は、誰か一人が別なカートを引くことになるようです。
かなり特殊です。
プレーの目安はハーフラウンド1時間45分です。
これでは素振りをしている暇などありません。
メンバーシップ制で、ビジターは基本的にメンバー同伴または紹介が必要。
クラブハウスではジャケット着用が必須。
セルフプレーは不可。
キャディ付き歩きが基本です。
廣野ゴルフ倶楽部を訪れるときは、メンバーさんに迷惑をかけたり、恥をかかせないよう、事前にしっかりと独自の規則やマナーなどを学んでおきましょう。
関西には歴史的名門ゴルフコースがたくさんある
まとめ
廣野ゴルフ倶楽部は、単なる「難しいコース」ではなく、「最高の舞台で自分を試す場所」だと強く感じました。
などと一丁前に言ってますが、本当はプレーできただけで大満足です。
ちょっと、気取ってみたかっただけ。
でも全身でゴルフの奥深さを味わえるのだけは確かです。
まさにゴルファー冥利に尽きる体験でした。
また必ず再訪したい、日本最高峰のゴルフ場です!