兵庫県三木市の緑豊かな丘陵地に、静かに佇むマスターズゴルフ倶楽部。
四季折々の表情を見せる自然林に囲まれ、設計の妙が随所に光るこの名門コースは、国内外のゴルファーを魅了し続けてきました。
この地を舞台に、毎年10月に開催されるのが「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」です。
女子プロゴルフツアー終盤の重要な一戦として、賞金女王争いやシード権の行方を大きく左右する本大会は、まさに実力者同士の真剣勝負の舞台。
高額賞金がかかる緊張感と、秋の陽光に照らされたフェアウェイや木々の深い陰影。
静けさのなかに張り詰めた空気が漂うこの大会は、観る者の感覚をじわりと揺さぶります。
NOBUTA GROUP マスターズGC レディースはどんな大会?
「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」は、毎年10月に兵庫県・マスターズゴルフ倶楽部で開催されるJLPGA公式ツアーの中でも、終盤戦に位置づけられる重要な大会です。
賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円と高額な賞金を誇り、シーズン終盤の賞金女王争いや翌年のシード権争いにおいて、大きな意味を持つ一戦となっています。
舞台となる「マスターズゴルフ倶楽部」は、戦略性と景観を兼ね備えた関西屈指の名門コース。
毎年、国内外のトッププロが集い、技術・精神力・経験をぶつけ合う舞台には、独特の緊張感と熱気が漂います。
ときに冷静なマネジメントが勝敗を分け、ときに大胆な攻めが歓声を呼ぶ――まさに“プロフェッショナルの競演”といえる大会です。
2023年大会では、菅沼菜々が堅実なプレーで接戦を制し、悲願のツアー初優勝を達成。
2022年には、プロ1年目の川﨑春花が「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」で堂々のツアー初優勝を飾り、その安定したショット力と冷静なプレーぶりが大きな話題を呼びました。
また2024年にはイ・ミニョンが終盤に猛チャージをかけ、巧みなショートゲームで頂点に立ちました。
長年の歴史を振り返ると、古江彩佳、全美貞、上田桃子、横峯さくら、大山志保ら名だたる選手たちが優勝者に名を連ね、この大会がいかにトップレベルの舞台であるかを物語っています。
この大会の本質は、勝敗を決する場であると同時に、選手たちの「技術と感情の輪郭」が浮かび上がる舞台である点にあります。
静寂と緊張が交差するマスターズゴルフ倶楽部という装置の中で、選手たちは自らの現在地を試され、観る者はその姿に引き込まれていきます。
だからこそ、「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」は成績表を超えた余韻を残し、
毎年、ファンの記憶に深く刻まれるトーナメントとなっているのです。
大会概要
大会名称 | NOBUTA GROUP マスターズGC レディース |
---|---|
開催コース | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県三木市久留美1848) |
公式サイト | JLPGA |
開催期間 | 10月23日(木)~10月26日(日) |
賞金総額 | 2億円(20,000万円) |
優勝賞金 | 3,600万円 |
出場人数 | 108名(予定) |
決勝進出順位 | 第2ラウンド終了時点で50位タイまで(予定) |
主催 | 延田グループ、スポーツニッポン新聞社、IMG |
NOBUTA GROUP マスターズGC レディース 歴代優勝者一覧(2008年~)
開催年 | 優勝者 | 開催コース |
---|---|---|
2024年 | イ・ミニョン | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2023年 | 菅沼 菜々 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2022年 | 川﨑 春花 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2021年 | 古江 彩佳 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2020年 | コロナで中止 | 大会中止 |
2019年 | 柏原 明日架 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2018年 | アン・ソンジュ | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2017年 | 上田 桃子 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2016年 | 全 美貞 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2015年 | 李 知姫 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2014年 | 大山 志保 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2013年 | 横峯 さくら | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2012年 | キム・ソヒ | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2011年 | 大山 志保 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2010年 | 横峯 さくら | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2009年 | 申 ジエ | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
2008年 | 大山 志保 | マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県) |
マスターズゴルフ倶楽部はどんなゴルフ場?
兵庫県三木市の穏やかな丘陵地に広がるマスターズゴルフ倶楽部は、1990年に開場した全27ホール・全長10,441ヤードのチャンピオンコースです。
コース設計は、六甲国際ゴルフ倶楽部などを手がけた加藤福一です。
彼の持ち味である、自然地形の緩やかな起伏や森林のラインをそのまま活かしながら、プレーヤーに多様な選択肢とリスクを突きつける設計思想が、随所に見られます。
一見穏やかな景観の中に、攻めと守りの判断を迫る仕掛けが潜み、視覚的な落ち着きとプレー上の緊張感が共存するコースです。
コースは「東・中・西」の3コースで構成され、中・西コースは毎年「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」の舞台として使用されています。
各ホールは全体的にフラットで幅広く、ティーグラウンドからグリーンまでの見通しが良好。
その開放感の裏側には、プレーヤーの判断力を試す巧妙な設計意図が潜んでいます。
グリーンはベント芝の2グリーン制で、アンジュレーションが効いた広大な面積を有し、距離感とライン読みの精度がスコアを大きく左右します。
また、池やバンカーも効果的に配置されていて、単なる障害物ではなく、プレーの選択肢そのものに影響を与える「構成要素」として機能しています。
とりわけ注目されるのは、タイガー・ウッズが来場した際のドライビング・ディスタンスを記した記念プレートが、フェアウェイに埋設されていること。
このエピソードは、国内のみならず国際的にも評価の高いコースであることを象徴しています。
さらに、マスターズゴルフ倶楽部は「プレーヤーへのもてなし」にも定評があります。
全組キャディ付きのプレースタイル、天然温泉を備えたクラブハウス、品格あるレストランやラウンジなど、プレー以外の時間にも贅沢な空間が用意されています。
マスターズゴルフ倶楽部は、単なる競技の舞台にとどまらず、コース・施設・サービスのすべてにおいて完成度の高いゴルフ場です。
プロ・アマを問わず、訪れるすべてのゴルファーに記憶に残る体験を提供してくれる“現代の名門”といえるでしょう。
マスターズゴルフ倶楽部のコース概要
・所在地:兵庫県三木市久留美1848
・公式サイト
・設計者:加藤福一
・開場:1990年(平成2年)
・ホール数:27ホール(全長10,441ヤード)
・グリーン:ベント芝2グリーン制
・特徴:フラットで広く、池やハザードが点在。視覚的な開放感の中に高い戦略性が潜む
プレーヤーの判断力と技術力が試される設計で、特に決勝ラウンドでの攻め方が勝敗を分けるポイントとなります。
まとめ
「NOBUTA GROUP マスターズGC レディース」は、女子ゴルフツアーの終盤において極めて重要な大会です。
名門・マスターズゴルフ倶楽部の美しいレイアウトと高難度が織りなすプレーは、毎年ファンを魅了してやみません。
秋の澄んだ空の下で繰り広げられる名勝負に、今年も注目が集まります。