兵庫県加古川市出身の女子プロゴルファー、ささきしょうこ(本名:佐々木笙子)選手。
9歳でゴルフに出会い、2015年にプロ入り。
翌年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初優勝をつかみ、以後も着実にタイトルを重ねてきた。
病弱だった幼少期から家族と歩んだ日々は、競技成績だけでは語り尽くせない厚みを持っている。
ささきしょうこ選手の略歴
クラーク記念国際高等学校を卒業後、2015年に日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)最終プロテストで2位タイ合格(87期生)。
2015年のJLPGA入会時には「名前が読みにくいので、多くの人に覚えてもらいたい」との思いから、登録名を本名の漢字ではなく平仮名の「ささきしょうこ」とした。
2016年の「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー初優勝。
同年はJLPGA新人賞、日本プロスポーツ新人賞を受賞。
2018年は年間2勝、賞金ランキング16位。
ツアー通算3勝。
所属は日本触媒。
プロフィール一覧
氏名 | ささき しょうこ(本名:佐々木笙子) |
---|---|
生年月日 | 1996年6月8日(29歳) |
出身 | 兵庫県加古川市 |
国籍 | 日本 |
身長・体重 | 170cm・65kg |
血液型 | O型 |
出身校 | クラーク記念国際高等学校 |
ゴルフ歴 | 9歳〜 |
プロ転向 | 2015年8月1日(JLPGA87期生) |
主なアマ実績 | 日本ジュニア(女子12〜14歳の部/2011年)優勝 |
得意クラブ | ドライバー、パター |
趣味 | 寝ること、読書 |
所属 | 日本触媒 |
ツアー通算 | 3勝 |
父とのドラマチックなエピソード
ささきしょうこ選手の幼少期は、呼吸器系の持病に悩まされ、長く学校へ通えない日々が続いていた。
そんな彼女が8歳の冬、偶然テレビで青木功氏の世界ゴルフ殿堂入りの表彰式を目にする。
スピーチや拍手に包まれるその光景を見て、ぽつりと「私も表彰状が欲しい」と口にした。
その瞬間、家族の中で何かが動き出した。
ゴルフがどんなスポーツかも知らないまま、室内で腕立て伏せや腹筋など基礎体力作りからスタート。
半年間の体力強化を経て、ついにクラブを握る許可が下りると、持ち前の集中力と吸収力で急速に上達していった。
以後はプロゴルファーになることだけを目標に据えた生活が始まる。
そんな娘の本気に応えるため、父・修治さんは大手警備会社を辞め、安定した生活を手放す決断を下した。
さらに、遠征費や練習環境の確保を優先し、家族が暮らしていたマイホームまで売却。
兵庫県内のゴルフ場に住み込み、朝から晩まで練習できる環境を整えた。
とはいえ、生活費や練習費用の捻出は容易ではない。
知人や元同僚からの支援を受けながら、節約とやりくりの毎日が続いた。
JLPGAのプロテストは一次、二次、最終と厳しい関門があり、受験料や移動費もかさむ。
最終に進んでも、合格後には60万円の入会金が待っている。
1年間で必要となる資金はおよそ200万円にのぼるとされ、アマチュア時代からの累計では数千万円規模の先行投資となる。
こうした現実を知る年頃になると、ささき選手は一度はゴルフから逃げ出したいと本気で悩んだ。
しかし、これまで支えてくれた家族への「恩返し」の思いが弱気を打ち消し、再び前を向かせた。
そしてプロ転向後は、優勝賞金や副賞の多くを両親に手渡し、自由に使ってもらっている。
それでも父・修治さんは「たくさん稼いで返してほしいとは思わない。もし思うようにいかなくても、その時はその時。家族3人でまた何とかやっていける」と笑う。
娘を信じる覚悟と、その想いに応える覚悟。
二つの信念がかみ合い、現在のささきしょうこ選手のキャリアを築き上げてきた。
参考クラブセッティング
用具契約:ダンロップ(ボールはスリクソン)。
時期やコースで入れ替えが生じるため、下記は代表例の整理。
ドライバー
・PRGR RS 9.5°(シャフト:FUJIKURA SPEEDER 661 EVOLUTION Ⅴ・S)
フェアウェイウッド
・PRGR RS 3W 15°/5W 18°
・SRIXON Z F85 3W 15°(使い分ける場合あり)
ユーティリティ
・PRGR RS 22°/25°
アイアン
・SRIXON Z585(#5〜#7)
ウェッジ
・Cleveland RTX-4 48°/52°
・Cleveland RTX FULL-FACE 56°
・近年モデルの「RTX 6 ZIPCORE」を採用するケースもあり
パター
・TaylorMade TPコレクション ハイドロブラスト Del Monte TB1
ボール
・SRIXON Z-STAR XV
※番手構成やモデルは大会・期間で変動。最新は直近の試合情報やメーカー公表を確認するのが確実。
まとめ
病弱だった幼少期、家族の決断、そして自身の粘りで切り拓いてきたキャリア。
2016年の初優勝から積み重ねた3勝は通過点にすぎない。
精度の高いショットと勝負所での集中力に磨きがかかれば、再び優勝争いの常連へ。
これからの1戦1戦が、物語の新しい章になる。