女子プロゴルフをより深く楽しむためには、様々なランキングの仕組みを理解することが大切です。
選手の活躍を測る指標から、シード権争いの行方、そしてシーズン途中の出場機会を左右する「リランキング」まで、主要なランキングについてわかりやすく解説します。
1. 世界ランキング(ロレックス・ランキング)
世界中の女子プロゴルファーの頂点を決めるのが、この世界ランキング(ロレックス・ランキング)です。
オリンピック出場資格や、海外メジャートーナメントへの出場資格にも直結するため、非常に重要なランキングと言えます。
・仕組み: 過去2年間(104週間)の出場大会で獲得したポイントの合計を、出場大会数で割った平均ポイントで順位が決まります。
直近の成績がより重視されるように、ポイントには週ごとに減算される仕組みが導入されています。
・ポイント: 大会の格(出場選手の強さなど)によって獲得できるポイントが異なり、メジャー大会や主要ツアーの大会ほど多くのポイントが得られます。
2. 国内ツアーの主要ランキング(JLPGAの場合)
日本の女子プロゴルフツアー(JLPGAツアー)には、年間を通して選手の成績を評価する独自のランキングがあります。
メルセデス・ランキング
かつては「賞金ランキング」が中心でしたが、2022年シーズンからはメルセデス・ランキングが女子ゴルフの国内ツアーにおける最も重要な指標となりました。
- 基準: 国内ツアーの各競技および米国女子(USLPGA)ツアーのメジャー競技での順位をポイントに換算し、年間の総合的な活躍度を評価します。
- シード権: 年間のメルセデス・ランキング1位の選手には、4年間のシード権と年間最優秀選手賞が与えられます。また、上位50位までの選手には翌年度のシード権が付与されます。
- ポイント配分: 各大会のポイントは、競技日数やメジャー競技かどうかによって異なります。例えば、USLPGAメジャー競技は3日間競技の4倍のポイントが配分されます。
賞金ランキング
各大会で獲得した賞金総額で順位を決定するランキングです。
シード権の決定はメルセデス・ランキングが主軸になったものの、選手の経済的な活躍を示す指標として、引き続き注目されています。
明治安田ステップ・ランキング
主にステップ・アップ・ツアー(下部ツアー)の選手を対象としたランキングです。
このランキングで上位に入った選手は、翌年度のレギュラーツアー出場資格の一部を得るチャンスがあります。
3. リランキング
シーズン途中に選手の出場優先順位を見直すのが、このリランキングという制度です。
- 対象選手: シード権を持たない選手、特にクォリファイングトーナメント(QT)を通過して出場資格を得た選手が主な対象です。
・実施時期: シーズン中に複数回(例えば、年2回)実施されることが多いです。
・基準: リランキングが実施される時点までのトーナメントでの成績(獲得賞金やポイントなど)に基づいて、新たな出場優先順位が決定されます。
・目的:
*競争の促進: シーズン前半に好成績を残した選手が、後半戦でより多くの試合に出場できる機会を増やし、選手間の競争を促します。
*下克上: QTで下位だった選手でも、シーズン前半に実力を発揮すれば、出場機会を増やすことが可能です。
*ツアーの活性化: 常に調子の良い選手が試合に出られることで、ツアー全体のレベルアップや盛り上がりに繋がります。
▼リランキングは、選手がシーズンを通してモチベーションを保ち、常にベストパフォーマンスを目指すための重要な制度と言えるでしょう。
4. 部門別ランキング(スタッツ)
特定の技術や成績に特化したランキングも多数存在し、選手の得意分野や技術的な特徴を示します。
これらスタッツを見ることで、各選手のプレーの傾向を掴むことができます。
- 平均ストローク: 1ラウンドあたりの平均打数で、選手の総合的な実力です。
- 平均パット数: 1ラウンドあたりの平均パット数で、パッティングの巧みさです。
- パーオン率: 規定打数でグリーンに乗せた割合で、ショットの精度です。
- フェアウェイキープ率: ドライバーショットでフェアウェイをキープした割合で、ティショットの安定性です。
- 平均飛距離: ドライバーショットの平均飛距離で、飛距離の優位性です。
- リカバリー率: グリーンを外した際にパーまたはそれよりも良いスコアでホールアウトできた割合で、アプローチやバンカーショットの巧みさです。
- バーディ奪取率・イーグル奪取率: バーディやイーグルを獲得した割合で、得点力です。
- トップ10フィニッシュ率: 出場大会でトップ10に入った割合で、安定した成績を残しているかを示します。
これらのランキングを理解することで、女子ゴルフ観戦はさらに奥深く、エキサイティングなものになるでしょう。
推しの選手がどのランキングで活躍しているか、ぜひチェックしてみてください。