まずは結論からお伝えしましょう。
日本政府および五輪組織委員会が東京オリンピックを『中止』と言いえなかったのは、IOCに人質(?)を取られているような状況があるからです。
そして、もう一つ、西側諸国にとって中国をけん制するする意味で、東京オリンピック開催は実に大きな意味を持つのです。
後ほど詳細しますが、IOCと各国際競技連盟の上下関係は完全なる服従型だ。
各国際競技連盟が決してIOCに逆らえない強固な構図が出来上がっていて、一国の政府といえども口をはさめない。
その事実を突きつけられて、日本政府は身動きできないのだ。
IOC側から見れば、人質を押さえてあると言っても過言ではない。
全世界のスポーツ団体を傘下に置き、盤石の支配構造を築いた人たちは天才だといえるでしょう。
多くの日本人はこの構図を知ろうともせず、メデアも知らんふりを決め込む。
都合の悪いときは『マスゴミ』などと言ってメデアをこき下ろすがそうでない時は、ほぼメデアの主張を鵜呑みにするのが日本人の特徴だ。
IOCと各競技団体の関係が分かるとオリンピックを中止できない理由が見えてくる!
IOC・国際オリンピック委員会を立ち上げ、今の強大な組織を創り上げた人々は天才だと思う。
エンゼルスの大谷君とは違った意味で天才だ。
フランスのピエール・ド・クーベルタンが発案提唱し、アメリカのエイベリー・ブランデージやスペインのフアン・アントニオ・サマランチ等が盤石な組織に育て上げたのだと思われる。
サマランチ会長のころから、『金権IOC』とか『金持ちクラブ』などと揶揄され始め、IOCへの風当たりが強くなったように記憶している。
世界全体の経済が膨張するのと期を一つにしていたのが、サマランチ会長時代だった。
サマランチ氏は毀誉褒貶の人だが、IOCがここまで巨大になったのは彼の功績抜きに語れない。
組織のトップに立つ人はサマランチ氏の組織づくりに学ぶべき面が多いのではないでしょうか。
批判はあるにせよ、世界のスポーツ界をまとめ上げた足跡は凄い。
憲法9条改正に反対する人も、サマランチ氏の手法を勉強する価値があると思いますよ。
武器を持たない、世界最強組織ともいうべきIOCを築き上げたのですから。
東京オリンピックを中止にできない理由は、このサマランチ氏らが育て上げたIOCの盤石、強大な組織力にあります。
政府と雖も、1国では太刀打ちできないほどの力を持つのがIOCと言う国際組織だ。
その、強力な組織の一端を簡潔に説明しましょう。
【IOCと国際競技連盟の関係】
国際競技連盟とは各種スポーツ団体の国際機構であり、その総称を指す。
略称をISFまたはIFで表す。
例えば,国際陸上競技連盟,国際スキー連盟のように,それぞれのスポーツを国際的に統制する組織のことだ。
各国,各地域を代表する国内団体で構成し,世界選手権大会を主催するほか,IOC(国際オリンピック委員会)に協力して,オリンピック大会の各競技の運営を管理する。
非加盟国は,その競技のすべての国際競技会に参加できない。
国際,国内をとわず,公式競技会は,すべて国際競技連盟のルールに従って運営される。
オリンピック大会で実施される競技は,その競技の国際連盟がIOCに公認されているものに限る。
IOCは,オリンピック大会で実施される競技とそれ以外の20以上の競技について、国際競技連盟を公認している。
これらの国際競技連盟は、連絡機関として国際競技連盟総会(AGFIS)を構成し,随時会議を開催する。
[川本 信正]
出典:世界大百科事典
注:故川本信正氏存命時に書かれたものです。
上記の引用を見ていただくとIOCと各国際競技連盟の力関係は一目瞭然ですね。
サッカー、野球、ゴルフなど、ごく一部の人気がありなおかつ強固なプロ組織を持つスポーツでなければ、IOCには逆らえないことが分かります。
赤線で示してある部分を見ればその意味が理解できるでしょう。
IOCに加盟していない国はオリンピックはおろか、一切の国際競技大会にさえ出場できない。
同じく、IOCに加盟していない競技はオリンピック種目とはなり得ない。
この規約を創り上げたことにより、世界の各国はIOCに反旗を翻すことはできないし、各競技団体もオリンピックの競技種目になりたいがために従わざるを得ないのです。
おそらく、国連よりも世界の国々に対する影響力は大きいのではないだろうか。
さて、ここから見えてくるものは何か?
日本政府がIOCの意向を無視して、オリンピック開催をやめたらどうなるかは容易に想像できます。
夏季冬季を問わず、今後日本でのオリンピック開催はほぼ困難と言えるでしょう。
「オリンピックなんか来なくたっていいよ」
そんな人もいるでしょう。
しかし、それだけに止まらないのがこの組織の強さであり、怖さなのです。
人気の陸上競技や水泳、体操、フィギュアスケート、スキージャンプ、さらには日本発祥の柔道まで、日本では国際大会が今後一切開催できなくなる可能性が大きいのです。
国際陸上連盟や水泳連盟にIOCが圧力をかけたら無視できない力関係であることは、上記の引用でお分かりいただけた通りです。
日本のメデアや世間は中止した時の賠償金や違約金に言及していますが、IOCは自らのイメージを貶める違約金など、全く眼中にありません。
彼らは日本のメデア人が考えつくような陳腐な手法は用いない。
言葉で発する必要もありません。
「勝手にオリンピックを中止にしたら、今後あなたの国でスポーツの国際大会は、一切開催できませんよ」
この無言の圧力に勝てる先進国の政治家はいない。
いわば、各競技連盟の国際大会開催権が人質に取られているようなものだ。
オリンピックに反対するメデアも狂い始めた。
東京オリンピック中止を社説で主張しながら、公式スポンサーを降りる意思はないと明言して憚らない朝日新聞。
オリンピック開催反対を主張するが、観客を入れたプロ野球やサッカーの試合はやめない孫氏や三木谷氏と似ている。
この矛盾と厚顔無恥はどこから来るのか?
簡単にこのタネ明かしをすると、社説を書いた論説委員は建前を主張し、経営陣はIOCに逆らう気はない、と本音を見せたのです。
論説委員だって勿論、命がけでオリンピックを中止に追い込みたいわけでもなく、ここまでの偽善なら許してくれるだろうとギリギリの線を狙ったのです。
朝日新聞が東京オリンピックの公式スポンサーを降りたら、今後のオリンピックでスポンサーになることは難しい。
取材に対してだって、陽に陰に圧力がかかることが経営陣には分かっているのです。
自国は貶めるが韓国へは媚びる朝日新聞が、そこまでしてIOCに逆らえるほど勇敢であるとは思えません。
IOCへの忖度と国民へおもねることに腐心する。
新聞社の論説員だって辛いのですよ。
しかし、何故ここまでして張り子の虎のように見え透いた、見栄を張る必要があるのだろうか?
朝日新聞は不思議な組織ですね。
同じメデア関係でもワイドショーのコメンテータなる珍商売の連中は、全くIOCや各競技団体の実態を理解していないことでしょう。
だから、間の抜けた好き勝手を言えるのです。
北朝鮮がオリンピック不参加を決めて、韓国がボイコットできない理由
「北朝鮮はオリンピックに不参加を表明したではないか」
「あの国はIOCを完全に無視できるとはすごい!」
いやいや、別にすごくも何でもありません。
何故なら、あの国はオリンピックもスポーツの国際大会も開催する気などサラサラないからです。
今後のオリンピック出場に罰則は?
全くあり得ません。
IOCはオリンピック憲章なる偽善の鎧をまとっているから、北朝鮮のような問題の多い国こそ何があっても参加させたいのです。
一部メデアは、韓国政府や世論として東京オリンピックボイコットの声があると伝えています。
ハイ、どうぞどうぞ、是非ともボイコットを実行してください。
何としても東京オリンピックを開催したいIOC。
自国の我がままでボイコットなどしたら、韓国は二度とオリンピックを開催できません。
テコンドーも韓国で人気のスケート国際大会も、今後は一切開催しない覚悟があるのなら、どうぞお好きなように。
文大統領だってスポーツ関係者からそのくらいのレクチャーは受けているでしょう。
それに逆らってまで、ボイコットを強行できる度胸があるとは到底思いませんし、そんなことをする意味もありません。
かつてボイコット騒ぎはありましたが、あの時は二度とも10カ国以上が団結していたので、IOCもペナルティを課せられなかったのです。
中国の習近平が咳払いしただけで震え上がる韓国の文さんが、IOCを向こうに回して大立ち回りができるとはとても考えられません。
当事国、日本の為政者は韓国のゴマのハエのような動きにかまっているほど余裕はありません。
もしも、日本政府からオリンピック中止を宣言したら、IOC幹部にはどのように映るか?
いとも簡単に国際的約束を反故にする韓国と同じように見えることでしょうね。
「韓国の慰安婦合意や徴用工問題とは違う。コロナと言う特殊事情がある」
そうはいっても、IOCにはIOCの事情がある。
組織の防衛と繁栄のためには資金が必要だ。
世界の多くの人々は勘違いしているが、IOCは慈善団体でも福祉団体でもありません。
国際的な利益団体だ。
平和の祭典とか五輪憲章を建前とした世界有数の利益団体であり、本音の部分ではスポーツを商品とした無借金健全経営の企業なのです。
世界の企業はすべて掲げた理念通りに経営されていると思いますか?
すべての組織と運営に携わる人間は、総じて崇高な理念の下に行動するとお思いでしょうか?
GAFAは世界中で優位な地位を利用し独禁法違反のような行為を繰り返して係争中であり、国家の規制を受けるようになりました。
日本の宗教法人は不動産やお布施に対して基本無税の特権を与えられていますが、それはお坊さんが祇園で芸鼓遊びをするために作られた制度ですか?
お寺のボンボンが高級車を乗り回し、女を口説き漁るためにある制度だと思いますか?
組織は人間によって運営されます。
人間に建前と本音の違いがある限り、企業にも団体にも二面性は当然できてしまうものなのです。
本音と建前の使い分けを一切しない方に、あなたは出会ったことがありすか?
突然ですが日本にはいわゆる風俗嬢と呼ばれる女性は何人位いると思いますか?
風俗にもいろいろありますが、今回は直接春を売る人たちに限定します。
約30万人だそうです。
1億2千万の人口に対して30万人だから、それほど多くないと思う方もいることでしょう。
だが、これを詳細に詰めていくと驚くべき事実が浮かび上がってくるのです。
風俗嬢ですから女性で、しかも年齢も限られますね。
細かい計算方法は省かせていただきますが、諸々の条件を組み込んで詳細に計算した方がいます。
その結果が衝撃です。何と日本女性の20人に一人は風俗経験者と言うことになるのだそうです。
そして、これを買う男がいる。
これはもう、計算するのも馬鹿らしいほど膨大な人数と金額になります。
このような男女が口を極めて、有名人の不倫を叩きまくる。
日本は不倫は許し難いけれど、金で春を売り買いすることに対しては寛容、そんな社会ですね。
日本には売春防止法はありますが姦通罪はとうの昔になくなりました。
法治国家日本国民は、法を犯した者には寛容で、違法ではない愛の交歓にはとても厳しいのです。
かと言って、不倫を推奨しているわけではありません、念のため。
かなり回りくどくなってしまいましたが、人は誰もが建前と本音を使い分けてい生きている。
したがって、すべての組織は人間が動かすのだから、組織にも建前と本音ができてしまうのは必然なのだ、と言いたいのです。
自分は建前と本音を使い分けるけれど、IOCは100%理念に沿った行動をとるべきだ。
そんなことを言っても、しょせん無理な話です。
東京オリンピック開催はアメリカなど西側諸国にとって、実は重大な意味を持っている!
そして、実はもう一つ大事なことがあります。
これはIOCではなく、アメリカを中心にしたいわゆる西側諸国の都合です。
東京オリンピックが中止になって、パンデミック後に開催される最初のオリンピックが北京では、これはもう本当にまずいのです。
東京が中止に追い込まれたなら、冬季とは言え中国がパンデミックを克服した証として、オリンピックを最大限利用することは火を見るよりも明らかです。
西側の日本よりも共産主義の中国が優れている。
これを世界中に印象付けられることはどうしても避けなければなりません。
G7の中でもイタリアやドイツはどうか分かりませんが、少なくともアメリカ、イギリス、フランスそして日本の首脳には共通した忍識でしょう。
安倍さんの「オリンピックに反対するのは反日的な人」発言もこの点と合致するのです。
次期開催国でもあるフランスは、東京オリンピック開会式に大統領自ら出席しました。
西側の雄アメリカは大統領夫人を出席させました。
イギリスで開催されたG7で『東京オリンピック支持』を打ち出したのは、建前でも何でもありません。
G7を中心とした自由主義陣営にはとても大きな意味のある東京オリンピック開催なのです。
近代オリンピックは政治抜きに考えることはできません。
そんなことを知ってか知らずか東京オリンピック中止論が出てから、有名人や著名人による間抜けな発言が相次いでいますね。
ある著名な演出家さんの告白には唖然呆然でした。
「東京オリンピックが決まった時、喜んでいると招致にかかわった先輩からこう言われました。アモン君は甘いよ。この招致に使った裏金のおかげだよ」
こんな内容だったような気がします。
これ、仮に事実だとしてアモン君が許しがたいと思ったのなら、何故もっと早く言わなかったのでしょうか。
2020年に予定通りオリンピックが開催されていたら、言わずに済ませたのでしょうね。
どうして、このタイミングでの発言なのでしょうか?
どうして、先輩などと曖昧な表現をするのでしょうか?
これでは、招致にかかわったアモン君より年上の人は全員疑われてしまいますよ。
このような一部日本の著名人は本当に堕落してしまいましたね。
自分の知っている世界がすべてだとのうぬぼれがあるから、未知の世界を知らされると動揺して、必死に否定しようとする。
人間としての信義を忘れて無知な自分を正当化しようと懸命になる。
曖昧で無責任な告発は、その混濁した意識から発せられるのではないでしょうか。
これに週刊誌などのメデアが飛びつくから庶民まで真似をして、日本は北朝鮮並みの密告社会になりつつあります。
他にもオリンピックでメダルを取ったから有名になれたのを忘れて、IOCや組織委員会などを批判する輩がたくさんいますね。
その中には、今のこの混乱に乗じて名を売りたい魂胆が透けて見える、元アスリートも見受けられます。
みんなもう一度、有名になりたいのです。
オリンピックに反対するなら相手を良く知るべきだ!
IOCは強大な利権組織を守るために日本政府と五輪組織委員会に様々な圧力をかけいるのは自明の理です。
メデアは何故それに気が付かないのか?
いえ、上層部は知っているはずです。
IOCを過剰に刺激すると今後が怖いことは、メデアが一番よく知っています。
だから、IOC批判はコメンテータに任せて、局アナはできる限り抑える。
朝日新聞の論説と同じようなパターンです。
日本政府ならいくら攻撃しようが、批判しようが反動が少ないことは分かっている。
日本メデアの特性として、弱いものは徹底的に叩くが強いものには弱い体質なのです。
メデアと言っても商売ですから、記者や司会者が自由に報道しているわけではありません。
どうしたら売り上げが伸びるか、常にそこに腐心しているのです。
TVの場合、そこにコメンテータの人気取りと言う思惑が絡むから、もうとても厄介なのです。
そして、IOCは日本の東京開催だからこそ、ゴリ押しすることも忘れてはならないでしょう。
彼らから見たら、日本のコロナ感染は大変な状況には映っていないはずです。
世界各国の中ではかなり安全だと映っていることでしょう。
これがブラジルのリオならとっくに中止を宣言していますよ。
オリンピック開催に反対する人がいて当然です。
私も正直なところ開催には弱冠不安があります。
しかし、これは一種の戦いです。
本当に開催を阻止したのであれば、相手を良く知って勝てる戦いを挑まなくては意味がありません。
感情論を振りかざして視聴者の気を引こうとするコメンテータに振り回されていたのでは、真実から遠ざかるだけです。