全米プロゴルフ選手権(PGA Championship)は、世界中のプロゴルファーが目指すメジャー大会のひとつです。
この記事では、その歴史、過去の名勝負、主な優勝者と開催コース、日本選手の最高成績、さらにゴルフファンの間で語り草になっている伝説の大会について、徹底的にご紹介します。
全米プロゴルフ選手権とは?
全米プロゴルフ選手権は1916年に誕生し、以来100年以上にわたりプロゴルフ界の頂点を争う舞台として存在感を放っています。
アメリカ・ニューヨークで設立された「PGA of America(全米プロゴルフ協会)」によって運営され、プロゴルファーのみが出場資格を持つことが大きな特徴です。
大会創設の背景には、米国におけるゴルフ人気の高まりと、プロゴルファーたちの地位向上を目指す動きがありました。
当初はマッチプレー方式(1対1の勝ち抜き戦)で行われていましたが、1958年大会からは現在の主流であるストロークプレー方式(4日間72ホールの総打数で競う形式)に変更されています。
全米プロゴルフ選手権大会の歴史と進化
第1回大会はシエウォナコック・ヒルズカントリークラブで開催され、ジム・バーンズが初代王者に輝きました。
1920年代にはウォルター・ヘーゲンが圧倒的な強さで大会を席巻し、5勝を挙げています。
第二次世界大戦中も開催が続けられるなど、全米プロは激動の時代を生き抜いてきました。
ストロークプレー化以降は、テレビ放送の拡大に伴い、世界中にファンを広げていきました。
近年は5月開催となり、他のメジャー大会(マスターズ・全米オープン・全英オープン)との間隔がバランスよく取られるようになっています。
全米プロゴルフ過去の主な優勝者と開催コース
伝説の優勝者たち
*ウォルター・ヘーゲン:1920年代に5勝、”プロゴルファーのパイオニア”と称される存在。
*ジャック・ニクラス:5勝。史上最高のゴルファーとされるレジェンド。
*タイガー・ウッズ:1999年、2000年、2006年、2007年に4勝。特に2000年の死闘は語り草。
*フィル・ミケルソン:2021年、50歳で優勝。史上最年長メジャー覇者。
*ブルックス・ケプカ:2018年、2019年に連覇。
有名な開催コース
*バルタスロールゴルフクラブ(ニュージャージー州)
*オークヒルカントリークラブ(ニューヨーク州)
*ベスページブラックコース(ニューヨーク州)
*クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)
*サザンヒルズカントリークラブ(オクラホマ州)
これらのコースは、難易度の高さ、美しいレイアウト、戦略性に富んだ設計で知られ、選手たちにとっては極めて過酷な戦いの舞台となっています。
全米プロゴルフ選手権における日本選手の最高成績と主な活躍
全米プロ選手権における日本人選手の最高成績は、2017年大会(クエイルホロークラブ)での松山英樹選手の単独2位です。
この年、松山選手は3日目終了時点で首位に1打差の2位につけ、最終日も堂々たるプレーを展開しました。
特にフロントナインでは安定したショットとパットを繰り出し、リーダーボード上位をキープ。
しかし、バックナインに入ると、要所でのバーディパットをわずかに外す場面が続き、流れがジャスティン・トーマスに傾きます。
13番パー3で痛恨のボギーを叩いたことで一歩後退。
それでも17番でバーディを奪い意地を見せ、最後まで勝負を諦めませんでした。
最終的にはジャスティン・トーマスが勝利を収めたものの、松山選手の堂々たる戦いぶりは世界中のファンの記憶に刻まれ、日本ゴルフ界にとって歴史的な瞬間となりました。
この活躍により、松山選手は世界ランキングでも日本人最高位を更新する大きな足掛かりを築きました。
そして、この時の悔しさをバネに松山英樹は、2021年4月の第85回マスターズ・トーナメントで優勝するのです。
日本人男子として初めてアメリカのメジャー大会を制覇しました。
この歴史的快挙は、1936年に日本人選手が初めてマスターズに出場してから85年目の出来事でした。
優勝の瞬間、生中継をしていたTBSの放送席で、思わず三人が男泣きしていました。
日本中が感動しましたね。
その他にも:
久常涼 :2024年大会で堂々のトップ10入り。若手注目株として世界に名を轟かせました。
丸山茂樹:1999年大会で5位タイ。日本人初のメジャー制覇に迫る快挙でした。
中嶋常幸:1980年代に複数回トップ10入り。日本ゴルフ界の草分け的存在。
近年、松山選手や久常選手の活躍により、日本ゴルフ界における全米プロの注目度はますます高まっています。
全米プロゴルフの語り草にっている伝説の大会
2000年:タイガー・ウッズ vs ボブ・メイ
2000年のバルタスロールでの戦いは、ゴルフ史に残る名勝負です。
タイガー・ウッズと無名のボブ・メイが繰り広げたプレーオフは、両者がベストを尽くした白熱の死闘でした。
最終的にウッズが勝利し、“タイガースラム”(異なるメジャー4連勝)への足がかりとなりました。
2018年:タイガー復活への希望
2018年のベルリーブカントリークラブ大会では、タイガー・ウッズが久々に優勝争いに絡みました。
ブルックス・ケプカが最終的に優勝したものの、ウッズの猛追にギャラリーは熱狂。
タイガー復活への期待を世界中に抱かせた大会として記憶されています。
まとめ:全米プロはゴルフ界の熱き戦いの舞台
全米プロゴルフ選手権は、名手たちの熱い戦いと、幾多のドラマに満ちた大会です。
歴史を刻み続けるこの大会では、これからも数々の伝説が生まれていくことでしょう。
次回大会では、どんな名勝負が繰り広げられるのか、日本人選手たちのさらなる飛躍にも期待が高まります!