2022年「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」で11年189日ぶりに2勝目を挙げた金田久美子プロ。
その勝利は、天才少女と呼ばれた彼女が長い低迷期を乗り越えた復活劇として、多くのゴルフファンを感動させました。
ここでは、金田久美子プロのプロフィールとクラブセッティングを詳しく紹介します。
金田久美子選手のプロフィール
金田久美子選手は3歳でゴルフを始め、8歳のときには「世界ジュニアゴルフ選手権」(女子10歳以下の部)で優勝。
タイガー・ウッズに並ぶ記録として話題を集め、“天才少女”の名を欲しいままにしました。
その後も「日本ジュニア選手権」や「中部女子アマチュア選手権」など数々のアマチュア大会で優勝。
2003年・2004年には日韓対抗中学・高校生ゴルフ選手権(中学女子の部)を2連覇するなど、国内外で確かな実績を重ねました。
アマチュア時代からJLPGAツアーに出場し、2002年の「リゾートトラストレディス」では12歳9カ月で最年少予選通過記録を樹立。
以降も「ゴルフ5レディス」(2004年・3位タイ)、「ニチレイPGMレディス」(2006年・4位タイ)、「ベルーナレディース」(2007年・4位タイ)とトップ争いに加わる実力を見せつけました。
2008年のプロテストには惜しくも1打及ばず不合格となりましたが、同年末のクオリファイングトーナメントで見事トップ通過を果たし、ツアープロとしての道を切り拓きます。
2010年には中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで自身初のホールインワンを達成。
そして2011年、フジサンケイレディスクラシック最終日、5打差を逆転する劇的なプレーで念願の初優勝をつかみ取りました。
このころから「キンクミ」の愛称で呼ばれるようになります。
以降、勝利からは遠ざかるも安定した成績を保ち、2014年を除く2016年まで賞金シードを維持。
しかし、2017年以降は長い低迷が続きます。
目立つ容姿やハキハキした言動はプラスに働くこともあるが、低迷するとバッシングの対象にもなる危うさを秘めています。
金田選手もその例にもれず、一部週刊誌や夕刊紙で根も葉もないうわさを書かれた時期がありました。
だが、彼女の低迷した理由は明らかです。
メニエール病の発症による体調の悪化と、その影響で睡眠不足が続いたことが大きな原因だったのです。
バッシングされようが、世間から忘れ去られようが「キンクミ」は、決してあきらめませんでした。
復活が期待される中で迎えた2022年、ついにその時が訪れます。
同年10月、「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」で2日目5アンダーを記録。
単独首位に浮上します。
最終日も粘りのプレーを続けます。
そして、2位以下の追い上げを振り切り、通算9アンダーで2勝目を挙げたのでした。
2011年から実に11年189日ぶりの優勝は、ツアー制施行後で最長ブランク記録を更新する快挙として大きな話題を集めました。
誰よりも「キンクミ」の素質にほれ込み、目をかけてきた大先輩、樋口久子さんの冠大会で復活優勝。
何かの因縁を感じずにはいられません。
2023年は元競泳選手でフィットネストレーナーの山田沙知子氏の指導のもと、フィジカル強化にも本格的に取り組み、ヤマハレディースオープン葛城で21位に入るなど着実に歩を進めています。
同大会で生涯獲得賞金を3億円台にのせています。
迎えた2024年シーズン、金田プロはさらなる飛躍に向けて取り組みを強化。
クラブやスイングの細部を見直し、ショートゲームの精度向上に注力しています。
トレーニング面ではフィジカルの維持と可動域の柔軟性に重点を置き、継続的に山田氏のサポートを受けながら、ツアー定着と上位争いを視野に入れた取り組みを続けています。
試合後のコメントでも「今がいちばんゴルフを楽しめている」と語るなど、ベテランとしての経験と若々しい挑戦する心構えが注目を集めています。
生年月日 | 1989年8月14日(35歳) |
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出身地 | 愛知県名古屋市 |
身長 | 166cm |
体重 | 51kg |
プロ転向 | 2008年 |
通算勝利 | 日本ツアー 2勝 |
金田久美子選手の趣味・パーソナル
シールコレクション:愛用するスーツケースに好きなステッカーを貼るのが近年のマイブーム。
「かっこいいシール集めを趣味にしたい」と語っています。
ビートルズやブランドロゴのステッカーを愛用。
ファッション&ショッピング:トーナメントや合宿中にも現地での買い物を楽しむなど、オシャレへの意識は人一倍高いようです。
ゴルフウエアも常に最新のトレンドを取り入れています。
金田久美子選手のクラブセッティング
ドライバー
・パラダイム トリプルダイヤモンド(10.5度)
・シャフト:ツアーAD XC(50g台・S)
フェアウェイウッド(FW)
・RMX VD フェアウェイウッド(3番・15度)
・ローグ ST MAX フェアウェイウッド(5番・18度、7番・21度)
・シャフト:ツアーAD UB/XC(いずれも50g台・S)
ユーティリティ(UT)
・スリクソン ZX ハイブリッド(4番・22度、5番・25度、6番・28度)
・シャフト:ツアーAD U(60g台・R)
アイアン
・ステルス グローレ アイアン(8番〜PW)
・シャフト:NSプロ 850GH(S)
ウェッジ
・フォーティーン RM4(46度、52度、58度)
・シャフト:NSプロ 850GH(R)
パター
・ホワイト・ホット OG パター 2-BALL BLADE TOUR LINED
ボール
・ブリヂストン ツアーB XS
なお、この記事は2023年のダイキンオーキッドレディスで取材したセッテングをもとに書いています。
※プロゴルファーのクラブは頻繁に調整されるため、使用ギアは変更されている可能性があります。
まとめ|金田久美子の現在地と再浮上への歩み
幼少期から「天才少女」と称され、数々のジュニア・アマチュア大会で実績を積み上げてきた金田久美子プロ。
プロ転向後は実力と華やかな話題性を持つ存在として注目され、2011年にツアー初優勝。
そして2022年、11年ぶりの復活優勝によってその名を再びゴルフ界に刻みました。
現在はフィジカル強化やショートゲームの精度向上を軸に、安定感と再現性を追求する取り組みを続けています。
使用クラブには細部にわたるこだわりが見られ、ゴルフスタイルにも成熟が感じられます。
ベテランとしての落ち着きと、なお失われない向上心。
金田久美子選手の戦いは、まだ続いています。