霞ヶ関カンツリー俱楽部でのオリンピック競技開催に反対したり、批判する政治家や自称評論家は多いが、ゴルフ場利用税に異議を唱える政治家やスポーツ評論家は実に少ない。
ゴルフをいまだに贅沢な貴族の遊びだと考える人たちの頭の構造は、一体どうなっているのでしょうか。
選挙が近づくたびに当選とカネ目当ての離合集散を繰り返す野党議員には無理な話だが、せめて自民党から良識のある人が出て欲しいものだ。
霞ヶ関CCは批判するがゴルフ場利用税を批判する政治家はいない
ゴルフ場利用税は贅沢税だと言われている。
オリンピックの正式競技になったスポーツに贅沢税とは不思議な国ですね。
この税が昔のままなのは、政治家の惰性と怠慢、時代錯誤以外の何物でもない。
下記の表を見ていただきたい。
1位 ウォーキング・軽い体操 4,682
2位 器具を使ったトレーニング 1,667
3位 ボーリング 1,433
4位 ジョギング・マラソン 1,366
5位 水泳 1,243
6位 登山・ハイキング 1,134
7位 釣り 981
8位 サイクリング 893
9位 ゴルフ 890
10位 野球(キャッチボール含む) 814
11位 卓球 766
12位 バドミントン 756
13位 サッカー(フットサル含む) 677
14位 スキー・スノーボード 608
15位 テニス 562
*単位:万人 |
これは『政府統計の総合窓口』e-Statが5年に一度発表する、日本国民が親しむスポーツに関する2016年の調査結果である。
ゴルフは890万人で9位である。
これだけの人々が親しみ、オリンピックの正式種目であるゴルフに日本は、ゴルフ場利用税を課税しているのである。
ゴルフ場利用税は応益税と贅沢税いう理由から成立している。
ゴルフ競技で東京オリンピック会場となる霞ヶ関CCのような高級倶楽部だけではなく、河川敷も地方のパブリックも同様に課税される。
簡単に説明すると
応益税の趣旨ーゴルフ場開発許可に関する費用が、自治体にとってかなりの経済的負担になっているとの理由から。
贅沢税の趣旨ー日本におけるゴルフ場の利用料はほかのスポーツと比較して高価であり、コース利用者には税金に対して高い負担力があるはずだ、という理由から。
税額は300円から最高1200円で、自治体やコースの設備、規模などによって複雑に異なる。
18歳未満と70歳以上及び身障者は身分証明書の提出によって免除されます。
ちなみに東京オリンピック会場となる霞ヶ関CCが所在する埼玉県は、最低額が300円で全国一安い。
競技人口が上位であろうが下位であろうが、成人男女がプレーするたびに贅沢だと言って税金をふんだくられるスポーツが他にあるだろうか。
この税制がある限り、ゴルフは国家規模で差別されているということになる。
政府がゴルフに対して差別を認めているのだから、各カントリー倶楽部に差別が存在しても為政者は疑義をはさむ資格はないのである。
小池都知事が東京オリンピック会場となる、霞に女性正会員がいないこと指して言いました、
「この21世紀に女性の正会員を認めない倶楽部があるなんて、時代遅れも甚だしい」
そっくりそのままお返ししたい、
「この21世紀に900万人もの人々が親しんでいるスポーツに対して、贅沢税を課す続ける政治家のセンスが信じられませんし、時代遅れも甚だしい」
この贅沢税と言う発想は、競技普及がテーマの一つであるオリンピック精神と一致しているとは言い難い。
筆者が冒頭『的外れ、片手落ち、知識不足』と書いたのは、このことを指摘したかったのである。
贅沢税の背景は、ゴルフはプレー費が高額であり、コース利用者には高い税の負担力があるからと言う理由なのですが、テニスは驚きですよ。
例えば、都内のあるテニスクラブの入会金とプレーにかかる費用は、次のようになっています。
*最後の項目にある17,280円は年会費じゃありません、月会費です、念のため。
この他に、プレーするごとに毎回数千円の施設利用料がかかります。
並みのゴルフコースより全然割高でが、テニスコート利用税がかかると言うお話は、いまだかつて聞いたことがありません。
応益税の趣旨だって全く的外れです、確かにコースの許認可には煩雑な手続きが必要で、自治体にそれなりの負担があることは否定しません。
けれどもコースが完成すれば自治体は毎年、固定資産税を確実な歳入として計算ができるようになります。
クラブハウスや駐車場は宅地並みの課税ですから、かなりの増収になるでしょう。
一つのコースで、およそ2~3千万円の固定資産税を所在する市町村に支払っている、という試算がります。
当該市町村にとって、それまでは一銭の税収入も見込めなかった地目・山林の土地から、2~3千万円の税収が毎年何の苦労もせず確実に転がり込んでくるのである。
実に、これほどおいしい話はありません。
地元からの雇用も自治体には大きく貢献することになります。
多少の費用と労を要しても、すぐに元は取れているのです。
オリンピック憲章には次のような規定がある。
『スポーツをすることは人権の 1 つである。
すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。
オリンピック精神においては友情、 連帯、 フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる』