東北地方には、雄大な自然と歴史の中で育まれてきた名門ゴルフ場が数多く存在します。
本記事では、青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の六県それぞれを代表するゴルフ場を厳選し、設計者の思想やコースの特徴、景観の美しさに着目してご紹介します。
いずれのコースも単なるプレーの場を超えた、文化と格式を備えた名門コースばかり。
東北のゴルフ文化に触れたい方、旅行を兼ねたゴルフを計画されている方、そしてゴルフ場設計に関心のある方にとって、きっと役立つ内容となっています。
「東北ゴルフの真髄」に出会える、厳選の6コースをぜひご覧ください。
① 青森県|八戸カントリークラブ
伝統と風格を備えた青森屈指のチャンピオンコース
八戸カントリークラブは、1974年に開場した青森県を代表する本格的な林間チャンピオンコースです。
設計は国内の名匠・和泉一介によるもので、松林に囲まれた静謐な雰囲気と戦略性の高さを両立した18ホールが展開されています。
コース概要
・ホール数:18ホール
・パー:72
・全長:6,901ヤード(バックティ)
・所在地:青森県八戸市大字河原木字川目19-7
・プレースタイル:キャディ付き or セルフ選択可
◎八戸カントリークラブ公式サイト
会員制か、一般予約は可能か?
完全な会員制ではなく、ビジターの受け入れにも柔軟な運営が魅力です。
一般プレーヤーも予約サイト(楽天GORAなど)や電話予約によりプレー可能です。
ただし、メンバータイム帯のプレーには制限があるため、週末やハイシーズンは早めの予約が推奨されます。
太平洋を望む絶景と風との闘い
標高約90メートルの高台に広がるコースは、太平洋を望む絶景ホールが複数存在し、地元プレーヤーからも「風と戦うコース」として親しまれています。
特にアウトコース中盤は、風の読みがスコアを左右する設計となっており、技術と経験が試される場面が続きます。
トーナメント実績と地域への貢献
アマチュア競技を中心に多数の公式大会を開催しており、青森県アマ選手権・青森オープンなどの舞台として長年使用されています。
地元ジュニア育成にも力を入れており、地域に根ざした名門クラブとして高く評価されています。
特筆すべきエピソード
1980年代には、当時の男子プロが非公式ながら強風の中でパー3ホールでドライバーを使用したという逸話も残されており、風の強さと設計の難しさを象徴する伝説となっています。
アクセスも良好で、八戸市街地から車で約20分という立地条件の良さも魅力です。
青森ゴルフの粋を体感できる、風格ある一日を過ごせるコースです。
②メイプルカントリークラブ(岩手県)
世界の名門コースをモチーフに、地形の美しさと戦略性を高次元で融合させた造形美が特徴です。
各ホールには独自のストーリーと名称が与えられている。
たとえば1番・10番ホールの「一期・一会」はセントアンドリュースのダブルグリーンを再現、11番「魔女の丘」はペブルビーチ、16番「禅」はオーガスタ・ナショナルGCを模しています。
コースは広大な敷地を贅沢に使い、ティーショットの解放感と、セカンド以降の戦略性が両立されたレイアウト。
フェアウェイは適度なうねりを持ち、グリーン周りには繊細なアプローチ技術が求められます。
メイプルカントリー倶楽部の概要
- 所在地:岩手県滝沢市大沢外山野1-1
- ホール数:18ホール
- パー:72
- 距離:6,528ヤード
- 設計者:金田武明
- 公式サイト:https://www.maple-cc.jp/
設備・運営・アクセスと地域への貢献
クラブハウスは、1964年東京五輪の公式ポスターで知られるグラフィックデザイナー・亀倉雄策氏によるデザインで、洗練された美しさと温もりを兼ね備えています。
レストランでは地元食材を活かした料理が並び、特に「盛岡冷麺」は訪問者に人気です。
250ヤードのドライビングレンジ(天然芝・8打席)を完備し、プレー前の調整は万全。
プレースタイルは1日最大25組に限定され、10分間隔のスタートで、ゆとりある時間と静かなラウンドを実現しています。
また、2016年にはアジアゲートホールディングスによる運営に移行し、経営基盤の安定とサービス向上が図られました。
東日本大震災の際も、地域支援や営業継続に尽力し、地域に根差したクラブ運営が評価されています。
アクセスも良好で、東北自動車道「盛岡IC」から約25分、JR盛岡駅から約35分、花巻空港からは約1時間。
近隣には小岩井農場や八幡平といった観光地もあり、ゴルフと観光をセットで楽しめる魅力的な立地です。
③ 宮城県|仙台カントリー倶楽部 名取コース
太平洋を望む、戦略性と景観美を兼ね備えた丘陵コース
仙台カントリー倶楽部 名取コースは、宮城県名取市に位置する18ホールの丘陵コースです。
自然の地形を活かしたアンジュレーションのある大きなグリーンと、巧みに配置されたバンカーや池が特徴で、プレーヤーの挑戦意欲を掻き立てます。
コースからは太平洋を一望できる絶景も魅力の一つです。
コース概要
- ホール数:18ホール
- パー:72
- 全長:6,557ヤード(バックティ)
- 所在地:宮城県名取市愛島笠島字南北沢1-8
- プレースタイル:キャディ付きまたはセルフプレー選択可
◎仙台カントリー倶楽部 名取コース公式サイト
会員制か、一般予約は可能か?
仙台カントリー倶楽部 名取コースはメンバーシップ制を採用していますが、ビジターの受け入れも行っています。
一般のプレーヤーは、公式サイトやゴルフ予約サイト(楽天GORA、GDOなど)を通じて予約が可能です。
ただし、週末や祝日は混雑することがあるため、早めの予約をおすすめします。
戦略性と景観美を兼ね備えたコース設計
コースは自然の地形を活かした設計で、アンジュレーションのある大きなグリーンが特徴です。
巧みに配置されたバンカーや池がプレーヤーの挑戦意欲を掻き立てます。
また、コースからは太平洋を一望できる絶景も楽しめます。
トーナメント実績と地域への貢献
仙台カントリー倶楽部 名取コースは、女子アマチュア大会なども行われたことのあるゴルフ場です。
また、スクランブルゴルフ大会などのイベントも開催されており、地域のゴルフ文化の発展に貢献しています。
特筆すべきエピソード
仙台カントリー倶楽部 名取コースは、仙台空港から最も近いゴルフ場として知られており、アクセスの良さが魅力です。
また、自然の地形を活かしたコース設計と太平洋を望む景観が、多くのゴルファーに愛されています。
アクセスは、東北自動車道「仙台南IC」から約11km、仙台東部道路「仙台空港IC」から約10分と便利です。仙台市中心部からも車で約30分と、都市部からのアクセスも良好です。
④ 秋田県|秋田椿台カントリークラブ
雄大な自然に抱かれた、風格の27ホールズ
秋田椿台カントリークラブは、1973年4月に開場した秋田県を代表するゴルフ場です。
フラットな地形の中に巧みにレイアウトされた正統派チャンピオンコースで、「つばき」「さつき」「さくら」の3コース、計27ホールを有しています。
各コースは剛と柔を兼ね備え、プレイヤーを熱くさせる設計となっています。
コース概要
- ホール数:27ホール(つばき・さつき・さくら 各9ホール)
- パー:各コース36、合計108
- 全長:つばきコース 3,500ヤード(バックティ)
- 所在地:秋田県秋田市雄和椿川字奥椿岱235
- プレースタイル:キャディ付きまたはセルフプレー選択可
◎秋田椿台カントリークラブ公式サイト
会員制か、一般予約は可能か?
秋田椿台カントリークラブはメンバーシップ制を採用していますが、ビジターの受け入れも行っています。
一般のプレーヤーは、公式サイトやゴルフ予約サイト(楽天GORA、GDOなど)を通じて予約が可能です。
ただし、週末や祝日は混雑することがあるため、早めの予約をおすすめします。
個性豊かな3つのコース
「つばきコース」は雄大なコースでゴルフの醍醐味を教えてくれる設計。
「さつきコース」は巧みなコースレイアウトが挑戦意欲をかきたてます。
「さくらコース」は美しさの中にいたずらな妖精が潜むようなコースで、プレーヤーを魅了します。
トーナメント実績と地域への貢献
秋田椿台カントリークラブは、2003年に第88回日本アマチュアゴルフ選手権競技、2007年には秋田わか杉国体・成年男子の開催コースとなりました。
また、プロ競技としては1977年に日本プロゴルフ東西対抗戦、1985年から日本女子プロゴルフトーナメント・東北クイーンズを3回開催するなど、数々の感動的なゴルフシーンの舞台となっています。
アクセス
秋田空港から車で約7分という好立地にあり、遠方からのアクセスも非常に便利です。
また、クラブハウス内にはレストランやショップ、300ヤードの練習場など、充実した施設が整っています。
⑤ 山形県|蔵王カントリークラブ
東北初の18ホール、歴史と戦略性を兼ね備えた名門コース
蔵王カントリークラブは、1961年(昭和36年)に開場し、当時は東北地方初の18ホールを有するゴルフ場でした。
アマチュアゴルフ界の頂点を極めた三好徳行氏の初期設計によるコースで、蔵王山麓南西の裾野に広がる丘陵と林間の特性を活かした手づくりの味わいがあります。
コース概要
- ホール数:18ホール
- パー:72
- 全長:6,336ヤード(バックティ)
- 所在地:山形県山形市蔵王上野2842-1
- プレースタイル:キャディ付きまたはセルフプレー選択可
◎蔵王カントリークラブ公式サイト
会員制か、一般予約は可能か?
蔵王カントリークラブはメンバーシップ制を採用していますが、ビジターの受け入れも行っています。
一般のプレーヤーは、公式サイトやゴルフ予約サイト(楽天GORA、GDOなど)を通じて予約が可能です。
ただし、週末や祝日は混雑することがあるため、早めの予約をおすすめします。
「剛」と「柔」の戦略的コース設計
コースは「剛」のOUTコースと「柔」のINコースに分かれており、それぞれ異なる戦略性が求められます。
OUTコースは距離は短めながらトリッキーなハザードや樹木が多く、正確なショットが必要とされます。
INコースは全体的にフラットですが、自然の地形を活かした微妙なアンジュレーションがあり、特に終盤の3ホールは技術が要求されます。
アクセス
蔵王カントリークラブは、東北中央自動車道「山形上山IC」から約3km、車で約7分とアクセス良好です。
また、JR山形新幹線「山形駅」から車で約20分、山形空港からは車で約35分の距離に位置しています。
⑥ 福島県|グランディ那須白河ゴルフクラブ
巨匠R.T.ジョーンズ・シニアの遺作、戦略性と美しさを兼ね備えたリゾートコース
グランディ那須白河ゴルフクラブは、世界的なゴルフコース設計家ロバート・トレント・ジョーンズ・シニアが手がけた最後の作品として知られています。
那須連山の雄大な自然を背景に、戦略性と景観美を兼ね備えた丘陵コースが展開されています。
2003年の開場以来、数々のプロトーナメントの舞台となっており、国内外のゴルファーから高い評価を受けています。
コース概要
- ホール数:27ホール(EAST・SOUTH・WEST 各9ホール)
- パー:108
- 全長:10,476ヤード(バックティ)
- 所在地:福島県西白河郡西郷村大字熊倉字雀子山3
- プレースタイル:キャディ付きまたはセルフプレー選択可
◎グランディ那須白河ゴルフクラブ公式サイト
会員制か、一般予約は可能か?
グランディ那須白河ゴルフクラブはメンバーシップ制を採用していますが、ビジターの受け入れも行っています。
一般のプレーヤーは、公式サイトやゴルフ予約サイト(楽天GORA、GDOなど)を通じて予約が可能です。
ただし、週末や祝日は混雑することがあるため、早めの予約をおすすめします。
戦略性と景観美を兼ね備えたコース設計
コースは那須連山の自然地形を活かした設計で、フェアウェイは緩やかな起伏があり、ベント芝のグリーンは微妙なアンジュレーションを持っています。
各ホールには巧みに配置されたバンカーや池があり、プレーヤーの戦略性が試されます。
また、コースからは那須連山を望む美しい景観が楽しめます。
トーナメント実績と地域への貢献
グランディ那須白河ゴルフクラブは、2005年から2007年にかけて「リゾートトラストレディス」を開催し、2014年からは男子プロトーナメント「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の舞台となっています。
これらの大会を通じて、地域のゴルフ文化の発展に大きく貢献しています。
アクセス
東北自動車道「白河IC」から約5km、車で約10分の距離に位置しており、アクセスは非常に良好です。
また、JR東北新幹線「新白河駅」から車で約5分と、公共交通機関を利用したアクセスも便利です。