2019年1月1日付でR&A:全英ゴルフ協会とUSGA:全米ゴルフ協会によりゴルフ規則が大幅に変更されました。
それに準じる形でJGA:日本ゴルフ協会も日本国内プロ、アマのプレーについて、新たなルールの運用を開始しました。
今回のルール改正の最大の目的はプレー時間の短縮とゴルフのより広範な普及にあります。
したがって、従来のルールに比べ緩和された点がいくつかあります。
ゴルフ場では、新ルールの掲げる目的とは裏腹に相変わらず遅延プレーが目立ちます。
ルールを知らないがために起きる、プレーの遅延行為もあるようです。
昔からマナーの悪い人、プレーの遅い人がゴルファーとしては最も嫌われてきました。
あなたもそうならないよう、しっかりとルールを覚えてください。
ルール改定で最も大きく変わった新ルール5つのポイント
1、新ルールでは新ルールではOBの処理が大きく変わりました。
上の写真を参考にしてください。
旧ルールだとOBは、元のショットした位置まで戻って打つのが基本でした。
それが新ルールでは戻らなくとも、2罰打で横に出して打てるようになったのです。
ティーショットでOBとなってしまい、『プレイング4』など前から打てるローカルルールがない場合、以前は1打プラスして、ティーショットの位置からもう一度打たなければなりませんでした。
新ルールでは暫定球を打たずに、OBゾーンに入った地点付近から、2打プラスして打てるようになりました。
2、ピンを抜かずにパッティングできるようになりました。
3、バンカーからプラス2打で外に出してもOKです。
4、準備ができた人から打ってもよい。
5,ティショットでチョロしても、無罰で場所を変えてティアップ・打ち直しができる
これらを中心に新ルールを説明していきます。
ゴルフルールはエリアごとに覚えると分かりやすい!
ゴルフは大きく5つのエリアに分類されます。
そのエリアすべてに共通したルールもあり、エリアごとに異なるルールもあります。
ルールはエリアごとに覚えるのが一番わかりやすいので、まずは5つのエリアをしっかりと頭に入れましょう。
イラストに書いてある番号と下記の文章で確認してください。
このエリアは新ルールで単純に名称が変更されただけです。
ティグラウンドと呼ぶこと自体は問題あありません。
スルーザーグリーンからジェネラルエリアに名所変更せれた理由は、次のように発表されている。
①コース上の大部分を占め、プレーヤーのボールがパティンググリーンに達するまで、最も頻繁に利用される。
②そのエリア内にあるすべての種類の地面、生長または付着しているものを含む。
*生長または付着しているものとは、フェアウエー、ラフ、木、雑草などを指す。
名称は変わりませんが、バンカーエリア内でのルールはかなり変更されました。
①バンカー内でルースインペディメント(ボール乗っかる葉っぱなど)を取り除くことができる。
②アンプレアブルの宣言によってバンカー外から2打罰で打てるようにななった等です。
後で詳しく説明します。
赤杭と赤ラインで示されるのが、レッドペナルティーエリア、黄色杭と黄色ラインで示されるのがイエローペナルティーエリアと呼ばれる。
その名の通りコース内の池やクリークなど水辺を指します。
救済方法の違いによって区別されるのだが、後ほど詳しく説明します。
名称変更はないが、ルールの変更は多い。
ピンを立てたままパッティングしてピン位に当たっても無罰となりました。
TVでのトーナメント中継を見るとプロがピンを立てたままパッティングしていて、これまでとの違いが一目瞭然だ。
他の変更については、後ほど詳細します。
新ルールはプレーファストの推進が主眼、スロープレーは厳禁!
エリアごとの細かいルールについて説明する前に、特に大きな新ルールの変更部分とその特徴をしっかりとつかんでおきましょう。
ショットについての時間と打順の規定が変わっています。
時間の短縮を明確に打ち出して、プレーファスト:Pry Fastを促します。
自分にプレーの順番がまわってきたら、これまでは50秒以内に打つこととされていたのが、新ルールでは40秒以内が推奨されている。
これまで、セカンドショット以降はホールから遠いプレーヤから順に打つことになっていたが、安全の確保が確認されたなら、準備のできたものから打つことを推奨するレディゴルフ:Ready Golfを明確に打ち出している。
草むらや林などに入ったボールを探す時間も、5分から3分と大幅に短縮されました。
R&AやUSGAのプレーファスト:Pry Fastへの意気込みと期待が伝わって来る、ルール改定と言えるだろう。
グリーン上では、ピンを立てたままパットを打ってボールがピンに当たっても、違反にはならないと変更されました。
これはロングパットを残しているプレーヤーが、誰かにピンを持ってもらう手間を省略し、時間を短縮するための措置です。
もう一つ、ショットを打つ前のアドレスに入った段階で、とても重要なルールー変更があります。
スタンス後ボールに向かってから、誰かに飛球後方に立って見てもらうことが禁止されました。
同伴者やキャディを後方に立たせてスタンスをとった場合、2打罰が課せられます。
くれぐれも注意しましょう。
プレーヤー救済のルールも拡大された
アドレスに入ってボールに向かった時、ボールが不意に動くことがあります。
プレーヤーが原因なのか、風か、傾斜かあるいはその他の自然現象か、判別し難いことがままあります。
新ルールではプレーヤーがボールの動く原因になった、と判断する基準を『その原因をプレーヤー本人が分かっているか、或いは95%以上確実であるとき』と表現しています。
プレーヤーが原因であることが明確でない場合は、罰を受けません。
これまでは意図せず動いたとしても、2打罰が課されるケースが圧倒的でした。
これによって、紛失したボールを捜索中、プレーヤーが気づかづ蹴ってしまった、或いはキャデが踏んずけてしまった場合なども罰則はありません。
元の位置にリプレースして打って下さい。
ただし当然ですが、故意に蹴るのは違反で、2打罰となります。
プレーヤーの打ったボールが木に当たって跳ね返りプレーヤーを直撃した場合、キャディや自分のカートに当たった場合も罰則はなくなりました。
二度打ちに対する罰則もありません。
アプローチなどで2度打ちした場合は、クラブにボールが当たったストロークを加算するだけで良くなったのです。
新ルールでは『ドロップの方法』も大きく変った一つです。
肩の高さから行っていたドロップが、膝の高さからできるようになりました。
低い位置からのドロップはボールの転がりを抑えることができ、一度のドロップで済むケースが増えるでしょう。
これも時間短縮とプレーヤー救済の両面を期待しての変更です。
ティイングエリアで改定された新ルール
ゴルフのプレーではすべてのホールで第一打目を、このティイングエリアから打ちます。
18ホールプレーしたならば、18回立つのがティイングエリアです。
ティイングエリアには必ず、二つのマーカーが置かれています。
このマーカーから後ろ(内側)の、2クラブレングス以内にボールをセットします。
マーカーよりホール寄りにボールが出ていたり、左右どちらかにはみ出てたまま打ったら、1打罰となりますから注意してください。
もし、マーカーからはみ出して打った場合は、そのボールは無効となり打ち直しです。
打ち直しは第3打目になります。
時々、前方にはみ出す人がいますので気をつけてください。
尚、ボールが決められたエリア内にあれば、スタンスはマーカーの外にあっても違反にはなりません。
1、第1打を打とうと構えたら、ティからボールが落ちた。
クラブをセットしたら誤ってヘッドが触れて、ボールがティから落ちてもティイングエリア内では罰則はつきません。
ボールを拾い上げて、再度ティアップして打ってください。
ティイングエリアでは打ち意思がないのにクラブがボールに触れても、原則違反にはなりません。
ワッグルして当たっても同じです。
同様にボールを拾って、罰なしで打ち直しましょう。
2、ティアップしたボールが強風にあおられて揺れていたが、そのまま打ってしまった。
ティ上でボールが揺れていたのを打っても罰則はありません。
風に揺れても、ティ上にある限り動いているボールとはみなされません。
また、ティショットは動いているゴールを打っても、罰則の対象にはなりません。
通常通り、2打目はボールが止まっている地点から打ってください。
3、空振りした風圧でティから落ちたボールをそのまま打ってしまった。
打つ意思を持って空振りになった場合は1打として数えます。
ボールが落ちた地点から2打目を打つのはルール通りで、全く問題ありません。
4、空振りしてティから落ちたボールを拾い上げ、再度ティアップして打った。
この場合は、落ちたボールがティイングエリア内に止まっていたら、再ティアップして2打目として打ってかまいません。
ただし、ボールがティイングエリア外に転がったら、再ティアップできません。
1打罰で再ティアップして打たボールは3打目となります。
5、ティショットがOBとなってしまった。
OBは1打罰となります。
最初のショット:1打+OBの罰:1打+打ち直し:1打=3打
ティイングエリアに戻り、ティアップして3打目として打ちなおしてください。
ゴルフ場によっては、特設ティから第4打目として打つ場合があります。
そのケースではローカルルールに従いましょう。
6、ティショットのボールが林に入り見つからない。
探し始めてから3分経って見つからない場合は紛失球として処理します。
打った地点(この場合はティイングエリア)に戻り、3打目として打ちなおしてください。
最初に打った1打+紛失の罰1打+打ち直しの1打=3打目。
打ち直しのボールは第3打目と計算します。
7、同伴者に暫定球と伝えないで、ボールを打ちなおした。
ティショットがOBくさかったので暫定球を打ったが、うっかり同伴者に宣言するのを忘れてしまった。
このケースはたとえ1打目がセーフであっても、暫定球宣言がなければ紛失球とみなされます。
したがって、後で打ち直したボールが3打目で、次は4打目として打ってください。
8、ティイングエリア外から打ってしまったティショットがOBになった。
ティイングエリア外から打ったティショットはインプレーになりません。
したがって、エリア外から打った罰1打だけ加えて、第3打目をエリア内から打ち直してください。
9、目印を置いてティショットを打った。
ティアップしたボールの後方に飛球線方向を指して、クラブを置いて目印にした場合は2打罰です。
新ルールではスタンスをとる時にプレーの援助となるものは、すベて禁止となりました。
一度目印を置いてから、取り除いて打っても2罰になります。
打ち直しではなく、ボールが止まった地点から4打目として打ってください。
10、2打目でティマーカーが邪魔になり、抜いて打った。
ミスショットしたボールがティマーカーにくっつくように止まったので、マーカーを抜いて打っても罰則はありません。
2打目以降はマーカーもただの人工物で『動かせる障害物』扱いとなります。
抜いたマーカーは必ず元に戻してください。
ティショットを打ち終わるまではマーカーは固定物です。
1打目は動かすと2打罰になりますから止めましょう。
11、ティイングエリアで木の枝がショットの邪魔なので、折ってしまった。
ティイングエリアの地面の改善は認められていますが、意図するスイング区域内の改善は認められません。
この場合は2打罰となりますから、枝を折らずにティアップの位置を変えましょう。
ジェネラルエリアのルールはこれで万全!
スルーザーグリーンと呼ばれていましたが、新ルールではジェネラルエリアとなった、各ホールで最も広範囲な場所です。
フェアウエー、ラフ、林の中、斜面もジェネラルエリアに含まれます。
このエリアに関わるルールは従来とあまり変わりません。
細かなルール説明の前に用語と概要を覚えましょう。
*ルースインペディメント
無罰で打てます。取り除くときにボールが動いたら、無罰でリプレースして打ちます。
*動かせない障害物、動物による穴、修理地、一時的な水
打てる位置からホールに近づかないよう、1クラブレングス内にドロップして罰なしに打ちます。
ボールの取り換えが可能なので、新しいボール、元のボールどちらで打ってもかまいません。
*動かせる障害物
無罰で打てます。取り除くときにボールが動いたら、無罰でリプレースして打ちます。
1、ボールの直後の草を踏みつける。
禁止されているボールのライの改善に該当して2打罰です。
ボールの周りの草をむしりとる、アイアンのヘッドで押し倒すなども同じく2打罰です。
ゴルフはティショット以外は、あるがままの状態でボールを打つことが大原則です。
この精神を大切にしてください。
2、ボールの手前の木の葉を取り除く。
これがルースインペディントですから、取り除いても罰則はありません。
ただし、この時ボールが動いてしまうと1打罰になりますから、気をつけてましょう。
3、ショットの邪魔になるボールの上の枝を折った。
これは、意図するスイング区域の改善で2打罰です。
コース上の固定物、生長物は曲げたり、折ったりすることは違反です。
ただし、スイング中にクラブが当たって折れたり動いたのは、罰則の対象にはなりません。
そのまま、プレーを続行してください。
4、バックスイングで木の枝が折れたのにそのまま打った。
スイングの動作に入ってから折れたので罰則はつきません。
そのまま、プレーを続行してください。
5、斜面にあるボールが打つやすいように石を置いて、スタンスを安定させた。
これは2打罰になります。
意図するスタンス区域の改善に当たります。
足を捩じる程度なら許されますが、土を掘ったり石や木を積み上げて足場をつくるのは、明らかな違反です。
6、ドロップする前に足で踏みつけ地面をならした。
これは2打罰になります。
ドロップする場所の改善は禁止されています。
7、低く張り出した枝が邪魔なので、地面にタオルを敷いて膝を折って打った。
膝ざを折って打つことは問題ありませんが、タオルを敷くのは意図するスタンス区域の改善とみなされ2打罰です。
8、ボールがディボットに入り、その前に一部根が張ったままの芝生があったので、スイングの邪魔だと思いはがしてしまった。
これはいけません、根が一部でも張っていたらルースインペディントではありません。
2打罰を付加してプレーを続行してください。
9、深い草むらでボールを探している時、偶然自分のボールを蹴ってしまった。
これは新ルールでは罰則にはなりません。
ボールの捜索中は故意でなければ、うっかり自分のボールを動かしても許されるようになりました。
ボールを元の位置にリプレースして、無罰で打ってください。
10、ボールを探している時、同伴者のボールをうっかり蹴ってしまった。
自分や自分のキャディ及び携帯品が、同伴者のボールに当たって動いても罰則はありません。
勿論、故意はいけませんが、偶然は問題ありません。
ボールはリプレースして打たなければなりません。
11、あなたのキャディが深いラフでボールを探しているとき、誤ってあなたのボールを蹴飛ばしてしまった。
2019年の改定により、プレーヤーとキャディが捜索中に誤ってボールを蹴っても、罰則の対象にはなりません。
リプレースしてボールが止まっていた地点から無罰で打つことができます。
12、あなたのボールを探していた時、たまたま見つけたボールを誰かのロストボールかと思い拾い上げてしまったら、実はあなたの同伴者のボールだった。
ボールを探している最中に同伴者のボールを拾い上げても、罰則はつきません。
ただし、同伴者はそのボールをリプレースして打たなければいけません。
もし、リプレースせずに打った場合は一般の罰が課せられ、2打罰となりますからくれぐれもご注意ください。
13、修理地に打ち込んだボールを探しているとき、誤って自分のボールを蹴っ飛ばしてしまった。
一時的にできた水たまり、修理地、動物による穴などで、誤って自分のボールを蹴飛ばしても罰はありません。
このような異常状態のホールコンディションの場合は救済措置が受けられ、安全な場所へドロップして打つことができます。
もし、修理地などからそのまま打つときは、蹴飛ばす前の位置にボールをリプレースして打たなければなりません。
14、ボールに触れるように落ちていた木の葉を取り除いたら、ボールが動いてしまった。
これは1打罰になります。
木の葉はルースインペディントですから、取り除くのは認められていますが、その時ボールが動くと罰則がつきますので慎重に処理しましょう。
動いたボールはリプレースしてから打ちましょう。
15、ラフに止まっているボールの直後にクラブをソールしたら、触れていないのにボールが少し動いてしまった。
1打罰則です。
プレーヤーがボールの動く原因をつくったとみなされます。
なお、グリーン上で同じ現象が起こった場合は罰則はありません。
リプレースして打つことができます。
16、ボールに向かって構えたら、誤ってクラブヘッドが触れてボールが揺れた。
この場合はセーフです、ボールが揺れただけで転がっていませんから。
クラブが触れても転がらなければ、罰則はありません。
本来、プレーヤーが故意にインプレー中のボールに触ると罰則の対象になりますが、構えた段階では例外扱いを受けます。
17、近くで素振りをしたら、誤ってクラブヘッドがかすってしまい、ソロリとボールが動いた。
これは1打罰ですね。
例え素振りのつもりでもクラブにボールが当たったら、インプレーのボールを動かしたことになり1打罰となります。
ボールはリプレースして打ってください。
18、バックスイングを始めた時に突然強風が吹き、ボールが少し揺れたがスイングを止められずそのまま打ってしまった。
これは罰則の対象にはなりません。
コース上のいかなる場所においても、インプレーのボールが明らかに風で動いたとわかった時は罰則の対象にはなりません、そのままプレーを進めてください。
19、林に打ち込んだボールを打ったら近くの木に当たり、跳ね返って自分の体に当たった。
罰則はありません。
2019年の改正で大きく変わってルールの一つです。
あなたの打ったボールがあなた、またはキャディ、カートや携帯品に当たっても罰則の対象にはなりません。
次打はボールが止まった地点から通常にプレイしてください。
旧ルールのままだと思っている人には、教えてあげましょう。
20、打ったボールが木から跳ね返り、何とあなたのキャディの上着ポケットに入ってしまった。
これも罰則はありません。
ポケットに入った地点にドロップして、プレーを続行してください。
グリーン上で旗竿を持っているキャディに偶然ボールが当たっても、罰則はありません。
21、打ったボールがキャディに当たり、方向が変わってOBになってしまった。
通常のOBと同じ扱いです。
1打の罰で元の位置に戻って打ちます。
OBを2打罰思っている方が案外多いですが、勘違いしないように。
例えば2打目がOBになった場合、2打にOBに罰を1打加え、2打目の地点の戻って打つのは4打目になります。
1打罰で元の場所から打ちなおすのがOBの規則です。
22、あなたを含めて2人分のキャディバッグを積んだ供用のカートに、あなたの打ったボールが当たった。
罰則はありません、そのままプレーを続行してください。
供用のカートは自分の携帯品扱いですから、2019年改正で罰はつかなくなりました。
これは4人供用でも全く同じです。
23、あなたの打ったボールが木に跳ね返り、同伴者に当たった。
同伴者やキャディに当たっても罰則はありません、そのままプレーを続行してください。
24、空振りをしてしまい、『しまった』と思いながらクラブを素早く後ろへ戻したら、途中でヘッドがボールへ当たりOBゾーンへ飛び込んでしまった。
これは少し複雑ですから、よく覚えてください。
まず、1打の罰です。
ボールを打つ意思がなかったのでOBにはなりません。
元の位置にリプレースして、忘れずに一打の罰を加えてプレーを続行してください。
25、深いラフでボールを打ったらすくい打ちになり、ふわっと上がったボールにもう一度クラブヘッドが当たり2度打ちになった。
この2度打ちも2019年改正で罰則の対象にはなりません。
クラブに当たった数だけ数えてプレーを続けましょう。
26、あなたの打ったボールが同伴者のボールに当たってしまった。
これは罰則の対象にはなりません。
グリーン上以外では他のプレーヤーのボールを動かしてしまっても、罰則はつきません。
当てられて動いた同伴者のボールは元の位置に戻し、あなたのボールは止まった地点からプレー続行です。
27、同伴者のボールが転がって止まらない間に打ったら、二人の動いてるボール同士が当たってしまった。
罰則の対象にはなりません。
双方それぞれのボールが止まった地点からプレー続行してください。
28、あなたの打ったボールがコースわきに止まっていた工事中の車に当たって、OBゾーンへ飛び込んだ。
通常のOBと同じ扱いです。
1打の罰を加え、元の位置に戻って打ち直してください。
29、2本の木が接近している中間にボールが止まったので、大股開きをして脚と脚の間を抜いて打った。
これは2019年の改定により2打罰になります。
プレーヤーはコース上のいずれの場所においても、故意に足をプレーの線上の両側に置いたスタンスで打ってはならない、に該当します。
プレー線の後方線上に両足をまたいでおくことも、左右どちらかの足がプレー線上に触れた状態で打つことも禁止され2打罰になります。
ちょっと難しい表現になってしまいますが、要するに飛球線を跨ぐことや飛球線上に立って打つ変則は打法は罰則がつきますよって事です。
30、同伴者もマーカーも遠くにいたので、泥だらけになったボールを拾いあげて自分のかどうか確認した。
罰則はありませんが、気をつける点がいくつかあります。
まず、確認のためボールを拾い上げる場合はマークする必要があります。
また正確なルールー上では、同伴者に事前に拾い上げる旨を伝える必要があります。
ただし、2019年の改正によってボールの確認とリプレースには、立ち会ってもらう必要はなくなりました。
31、最初の一打がOBくさかったので暫定球を打ったが同じ方向へ飛び、結果的に両方ともセーフだった。
しかし、どちらが最初のボールか区別がつかない。
1打罰で、どちらを選ぶか自分で決めてプレー続行してください。
もったいないですね、打つ前に必ず番号などで確認する癖をつけましょう。
32、暫定球を打ってから最初のボールを探したが見つからなかったので、その暫定球をもう一度打った。
その後も一度探したら、最初のボールが暫定球が止まっていた地点より後ろで見つかった。
この場合は1打罰で暫定球でそのままプレーをつずけて下さい。
暫定球が最初のボールよりホール近くにあって、それを打ってしまった場合は1打罰になります。
暫定球の方がホールから遠い地転にあった場合は、仮に暫定球を先に打ってしまっても、罰則なしで元のボールを打ち直すことができます。
ただし、3分以上探しても最初のボールが見つからず、あきらめて暫定球でプレーを続けた後にホール寄りで最初のボールが見つかっても1打罰になります。
その場合は紛失球が適用されますから、1打罰の暫定球でプレーを続けることになります。
33、ドッグレッグで前方が良くわからないホール。
ティショットのボールが池方向へ飛んだが、だれもボールが落ちた地点を確認できず、探しても見つからなかった。
このケースは紛失球の扱いになり、1打罰で元の位置に戻って打ち直すことになります。
池に入ったことが明らかに分かっていたら、ペナルティーエリアに入ったボールとして処理できます。
34、ラフで同じメーカーのボールを二つ見つけたが、番号が分からないのでどちらが自分のものか区別がつかない。
紛失球として扱われ、1打罰で元の位置に戻って打ち直しです。
どちらかが明らかに自分のボールであると思われても、判別のしようがなければ紛失球扱いとなりますからご注意ください。
35、自分と同伴者のボールが同じ方向へ飛び、行ってみるとごく近くにあり、しかもロゴと番号も全く同じで、どっちが自分のボールか区別がつかない。
これは残念ながら紛失球扱いになります。
1打罰のうえ元の場所に戻って打ち直してください。
クラブの公式競技などの場合、スタート前に必ず同じ組のメンバーがボールを確認し合うのは、このようなトラブルを未然に防ぐためなのです。
36、打ったボール高く上がり、軟弱な地面に食い込んでしまった。
これは罰則はありません。
拾い上げてワンクラブレングス以内にドロップして打ってください。
この時、ボールを拭くのも自由です。
ジェネラルエリアでボールが地面にもぐりこんだ場合は、罰則なしで救済措置を受けられます。
ドロップするときは、ホールに近づかないよう注意しましょう。
37、打ったボールが修理地を転がってフェアウエーで止まったが、泥だらけで番号が目えず、自分のかボールかどうか確認のため拾い上げた。
罰則はありませんが、拾い上げる時はマークすることを忘れずに。
泥などで自分のものかどうか確認が必要な場合は、ボールを拾い上げることは認められています。
2019年の改定では同伴者の立会なしで、確認を行なうことができるようになりました。
なお、このケースはドロップではなく、リプレースでオッケーです。
38、グリーン周囲のカラーの止まったボールが泥だらけだったので、グリーンと勘違いしてボールを拾い上げて確認した。
これは1打罰です。
『インプレーのボールを拾い上げた』の罰に該当します。
カラー部分はグリーンではありません。
1打罰を付加しリプレースして打ちましょう。
39、登れそうもない高い木の枝にボールが引っかかり、自分のボールかどうか確認のしようがない。
これは1打罰になります。
仮にボールが制限時間内に見つかっても、自分のボールかどうか確認できない場合は紛失球扱いになります。
1打の罰を付加して、元の位置に戻って打ち直してください。
40、泥だらけで自分のものかどうかわからないので確認のため拾い上げたが、うっかりしてマークするのを忘れた。
1打罰になりますので、このようにボールの確認が必要なときは必ずマークしましょう。
元の位置にリプレースして、1打罰を付加して打ってください。
41、深いラフに入ったボールの確認のため、周囲の草を手で触って軽く広げた。
罰則はありません。
草に触れる程度ならボール確認に必要と判断され、認められます。
ただし、草をむしったり、ボールの周囲を何度も踏んずけることはライの改善とみなされ、2打罰となりますから注意してください。
42、ボールが木に引っかかって落ちてこないので、気をゆすって落とした。
インプレーのボールを動かしたことにより、1打罰です。
基本的には元の位置に戻して打つのですが、木の枝に戻せない場合はさらに1打罰を付加して、枝の真下を基点にアンプレアブルの処置をとってください。
木をゆすらずにアンプレアブルを宣言すれば、ボールを故意に落とした罰はありません。
ボールはあるがままの状態で打つ。
打てない場合は1打罰でアンプレアブルの救済措置を受ける、これがゴルフの基本理念です。
ルールであり、基本的なマナーでもあります、忘れずに。
43、パー3で打ったボールが見えなくなって、グリーン周辺を探したが見つからないので、ティエリアに戻り打ち直した。
その後、グリーンへ行きカップを覗いたら、何と最初のボールがホールインワンだった。
これは、罰はなくホールインワンが認められます。
ゴルフはティエリアから一つのボールを打って、ホールインさせることで成立します。
したがって、最初のボールがホールインした段階でこのホールのプレイは成立、終了となります。
紛失だと勘違いして打ったボールはカウントの対象にはなりません。
44、打ったボールが見つからないので、元の位置に戻りドロップした後にキャディが見つけた。
これは残念ながら1打罰です。
ドロップした段階で即ち、そのボールがインプレーとみなされます。
したがって、紛失球扱いでドロップしたボールでプレイを再開してください。
バンカー内での新ルールはこんなにも変わった!
旧ルールではバンカー内のボールに木の葉が乗っていようが、大きめの石ころがくっついていようが、取り除くことができずそのまま打たなければならなかった。
新ルールではバンカー内のルースインペディメントが取り除けるように改定されましたが、これは実に画期的な変更と言えます。
ルースインペディメントとは、木の葉、松ぽっくり、石などの自然物を指します。
また、砂をテストする目的でなければ、クラブや手がバンカー内の砂に触れても、罰則の対象にはなりません。
ただし、アドレス時においてボールの前後など周辺の砂にクラブが触れるのは、従来と同様2打罰が付加されますので、注意してください。
もう一つの大きな変更はスロープレー解消のため、バンカー内のボールに対してアンプレヤブルの宣言が認められるようになったことがあります。
あごの高いバンカー、深い砂に埋もれた目玉状態から、何度打っても脱出できなかった初心者には朗報と言えます。
まず、アンプレヤブルを宣言し、ボールとホールを結んだバンカー外の線上後方、1クラブレングス以内にボールをドロップします。
2打罰を付加して打ってください。
バンカーの苦手な人には、とても有難い救済措置ですね。
同伴者として見ている方も、気を遣わずに済みます。
ペナルティーエリアで改定されたルールと救済措置
ペナルティーエリアでは原則、従来のラテラルウォーターハザードでの救済と同様の救済を受けられるようになります。
旧ルールではゴルフ場内の水域は『ウォーターハザード』と『ラテラルウォーターハザード』に分けられ、それぞれで救済方法が違っていました。
新ルールでは『ウォーターハザード』『ラテラルウォーターハザード』の呼称は廃止されました。
代わりに用いられるのが『レッドペナルティーエリア』『イエローペナルティーエリア』。
新ルールでは『レッドペナルティーエリア』が赤杭・赤線で示され、『イエローペナルティーエリア』黄杭・黄線で示されます。
これまでのウォーターハザードは赤や黄色杭の中にあっても、ボールを打てる状態であれば打てましたが、ソールすることはできませんでした。
今回の変更により、ウォーターハザードの概念が大きく変わりました。
前述のようにウォ―ターハザードはペナルティーエリアと呼称が変わり、単に水域だけでなく指定された区域全体をさすものとなりました。
そのペナルティーエリア内でショットする場合は、クラブを地面につけることができるようになったのです。
ペナルティーエリアにある水、木の葉、木の枝、小石、砂、溶岩石などをルースインぺディメントと呼びます。
これまでの旧ルールではこれらに触れたり、取り除くことは禁止されていましたが、新ルールではそれが可能になりました。
ペナルティーエリアでルースインペディメントを動かことや、地面や水にクラブが触れても罰はつきません。
池やクリークなどに球が飛んで行って、赤杭の中に入ってしまった場合でも打てる場所にボールあれば、フェアウェイやラフと同じようにソールして打てることになったのです。
これもプレーファーストの一環ですが、プレーヤーにとってはとても有難い改正です。
かと言って、池に入れてばかりでは意味がありません、ご注意を!
グリーン上で変更された新ルールとは?
最も画期的な変更は、ピンをホールに立てたままパンティングができるようになったことです。
打ったボールがピンに当たっても罰はありません。
グリーン上にある諸々の損傷を無罰で修理が認められるようになったことも、大きな改変と言えます。
自分が打つライン上にあるスパイクマークの修復も認められるようになりました。
ただし、自然現象による凸凹やグリーンの摩耗は修復ができません。
また、グリーン上のボールが故意ではなく偶然に動いた場合は、無罰で元の位置に戻して打つことができるようになりました。
マークしたボールをグリーン上に戻した時に動いた場合も、原因の如何に関わらず故意でなければ、罰なしで元に戻すことができます。
新ルールはアマチュアゴルファーの迅速なプレーとトーナメントでの救済措置を簡略化し、試合時間の短縮に主眼を置いています。
スポーツとしてのゴルフを世界に認知させ、競技人口を増加させるべく、R&Aの重大なる思惑が見て取れます。
これは前回のリオデジャネィロオリンピックからゴルフが正式種目となったことも、無関係とはいえないだろう。
その意図を良く汲み取り、スポーツとしてのゴルフを理解し、ルールを正しく解釈してより楽しく、スコアアップを目指してプレーしてください。
紳士のスポーツゴルフでは、ルールと同じくくらいマナーが大切にされます。
エチケットを守り、同伴者への配慮、キャディへの労い、コースを大切にすることと安全で迅速なプレーを常に心がけてください。
そうすれば、あなたははもう立派な競技者です。
誰からも好かれるゴルファーである事、間違いなしです。
救済措置にかかわる変更・6つのポイント
1. 救済措置で『救済エリア』を決めるときにはパター以外の最も長いクラブを使用する。
救済エリア(relief area)とは救済を受ける際にボールをドロップできる範囲のことです。
救済エリアは状況に応じて、基点、大きさ、場所の制限の3つの要素から決まります。
旧ルールではこのようなエリアの大きさを決定する『クラブレングス』には、どのクラブを使っても問題ありませんでした。
しかし新ルールではラウンド中にプレーヤーが持っているクラブの中で、パター以外の最も長いクラブを使用すると決められました。
ドライバーで計測するようになるでしょう。
2、ドロップは膝の高さから
救済エリアにボールをドロップするときには、膝の高さから真下に落とすようにしましょう。
旧ルールでは直立した状態で、肩の高さからドロップするよう決められていました。
新ルールでは立った姿勢での膝の高さからのドロップに変更されました。
これは救済エリアに止まりやすいようにすることが主な目的です。
ドロップする際には必ずしも立った姿勢である必要はありません。
立膝をして、そのときの膝の高さからドロップをしても問題ありません。
3、ボールは救済エリア内に止まるようにドロップ
ボールをドロップしたとき、そのボールは救済エリア内に止まらなければなりません。
従来のルールではボールが1または2クラブレングス以内に落ち、さらに落下地点から2クラブレングス以内に止まれば基本的には問題ありませんでした。
しかし、新ルールでは救済エリア内にボールが落ちて、さらにエリア内にしっかりとボールが止まらなければならなくなりました。
もしボールが転がり出た場合には、再ドロップを1回だけできます。
それでもボールが止まらない場合には、再ドロップをしたときにボールが落ちた箇所にプレースします。
なおボールが止まらない場合には再度プレースをし、そこでも止まらないときにはボールが止まる最も近い箇所にボールをプレースします。
また、ドロップしたときに救済エリア外にボールが落下した場合や正しくない高さからドロップした場合には再度ドロップが必要になります。
もし、間違った方法でドロップした場合には、再ドロップできる回数に制限はありません。
また、以下のような本来適切な処置をしなければならない状況で処置をせずにプレーを続行してしまった場合には、ペナルティに以下のように違いがあります。
・救済エリア内にドロップしたものの、ボールがエリア外に転がった場合は2打罰
・救済エリア外にドロップしたボールが、救済エリア内に転がって止まった場合は1打罰
ちょっとわかりずらいですが、適切に処置をせずに後から気が付いた、あるは同伴者から指摘された場合は罰則が適用されるということです。
4、捜索中に誤ってボールを動かした場合には、場所を推定して無罰でリプレース
ボールが思わぬ方向に飛んでしまい、ペナルティーエリアに入っていないかと捜索しに行く場合があります。
そのようなときに、万が一ボールを蹴るなどして動かしてしまった場合には、無罰でリプレースをします。
5,救済時にはいつでもボールを交換可能に
罰の有無にかかわらず、救済時にはいつでもボールを交換可能になりました。
旧ルールでは、ウォーターハザードやアンプレヤブル、OBなどといった罰則の付いた救済のみボール交換が認められていましたが、新ルールでは無罰の救済であってもボールを交換できます。
6、ジェネラルエリアでは無罰でピッチマークからの救済を受けられる
ジェネラルエリアではどこでも無罰でピッチマーク:自分が打ったボールで出来た穴からの救済を受けられるようになります。
これまでの規則では、フェアウェイなどの区域でのみ救済を受けられ、ラフは対象外でした。
ローカルルールではラフも対象とすることも多かったですが、ゴルフ規則上では正式には決められていませんでした。
しかし、新ルールではジェネラルエリアのどの箇所でも救済を認め、場合によってはローカルルールで救済をフェアウェイだけに限定できるようになりました。
これまでの規則とは逆の設定になったわけです。
また、救済を受ける方法も変わりました。
新ルールで救済を受ける場合は、ボールの直後の箇所から1クラブレングス以内のホールに近づかない範囲にドロップします。
なお、救済エリアはジェネラルエリアのみです。
救済エリアとペナルティーエリアは異なりますので、ご注意ください。
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