樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメントと武蔵丘ゴルフコース完全ガイド

武蔵丘の木々が静かに色づき始めるころに開催される「樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメント」。

今年も埼玉県の名門・武蔵丘ゴルフコースで開催されます。

白熱の女子ツアーも、もう終盤。

選手たちの気迫が交錯する濃密な三日間が見ものです。

本記事ではその歴史や大会の特色に加え、開催地である武蔵丘ゴルフコース（埼玉県飯能市）の魅力についても詳しくご紹介します。

樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメントはこんな大会

「樋口久子三菱電機レディスゴルフトーナメント」は、日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）が公認するレギュラーツアー公式戦のひとつです。

主催はADKマーケティング・ソリューションズ、三菱電機が特別協賛に名を連ね、女子スポーツの価値と存在感を社会に浸透させる場として、確かな地位を築いてきました。

最大の特徴は、大会名に冠されている「樋口久子」の存在です。

日本人として初めて海外メジャー（1977年全米女子プロ）を制し、国内外にその名を知らしめた樋口久子さん。

JLPGAの創設メンバーであり、後に長年にわたり会長も務め、女子ゴルフ界の礎を築いたレジェンド中のレジェンドです。

その功績に敬意を表し、出身地である埼玉県で開催されているこの大会は、次代を担う若手選手たちがレジェンドの偉大さに挑む舞台でもあります。

開催は毎年10月最終金曜日からの3日間。

会場となるのは、埼玉県飯能市の名門・武蔵丘ゴルフコース。

紅葉が色づき始める穏やかな季節の中、例年96名の選手が出場し、2日目終了時点で50位タイまでの選手が決勝ラウンドへ進出します。

コースの持つ戦略性と高いフェアネス、そしてファンとの距離の近さが相まって、選手にとっても観客にとっても印象深い大会となっています。

・賞金総額：1億円

・優勝賞金：1,800万円

・開催期間：10月31日～11月2日（予定）

・会場：武蔵丘ゴルフコース（埼玉県飯能市中山665）

本大会の起源は1983年の『紀文レディースクラシック』にさかのぼります。

その後、大会名やスポンサーは変遷を重ねましたが、2005年より「樋口久子」の名を冠し続け、2016年から現在の「三菱電機レディス」として確立しました。

この大会の大きな特徴は、日本女子ゴルフ界の先駆者である樋口久子さんへの敬意を表す形で、世代を超えた選手たちが名誉をかけて争うことにあります。

2022年大会では金田久美子選手が、何と11年ぶりのツアー優勝を飾りました。

かつて“天才少女”と呼ばれ、注目を集めながらも長く勝利から遠ざかっていた彼女にとって、武蔵丘での優勝は格別な瞬間となったことでしょう。

幾度も重ねた挫折と葛藤の末にたどり着いた復活勝利。

インタビューで見せた涙と言葉の一つひとつは、多くの人々に深い感動を与えました。

大会の冠となっている樋口久子さんが、若い頃から眼をかけていた金田久美子選手の優勝。

樋口さんにとっても大きな喜びだったことでしょう。