埼玉県飯能市に広がる「武蔵丘ゴルフコース」は、都心からのアクセスも良く、格式と開放感を両立させた希少なパブリックコースです。
筆者がこのコースを初めて訪れたのは、偶然にも伝説の長嶋茂雄さんがラウンドされている日でした。
そのスポーティな格好いい姿は、今もしっかりと脳裏に焼き付いて離れません。
後日、ゴルフ場関係者に尋ねると「度々お見えになります。お食事はいつも別室をご用意しております」とのことでした。
この記事では、あの長嶋茂雄さんが愛し、幾度となくプレーした埼玉県の高級パブリック武蔵丘ゴルフコースについて解説します。
高級コースでありながら、誰でもプレー可能
武蔵丘ゴルフコースは、洗練されたクラブハウスや整備の行き届いたコース環境から、ひと目見ると完全会員制の名門と思われがちです。
実際には、株式会社プリンスホテルが運営するパブリックコースであり、予約さえ取れれば基本的に誰でもプレー可能です。
もっとも、プレーフィーはやや高めに設定されていて、その分訪れるゴルファー層もゆとりある人が多く、名門の落ち着いた雰囲気を醸し出すのです。
芸能関係者や著名人は季節を問わずプレーに来ていますが、シーズンオフともなればプロ野球選手の姿を見かけることも多くなります。
その一方で、定期的にラウンドするプレーヤー向けには「友の会」が用意されていて、武蔵丘ゴルフコースと新武蔵丘ゴルフコースの両方をお得に楽しめる「うぐいす倶楽部」が人気を集めています。
次項では、この「うぐいす倶楽部」がどのような特典を持ち、どんなゴルファーに適しているのかをご紹介しましょう。
「うぐいす倶楽部」友の会の魅力
武蔵丘ゴルフコースと新武蔵丘ゴルフコースの両方をお得に楽しめる「うぐいす倶楽部」は、定期的にラウンドするプレーヤーにとって非常に魅力的な制度です。
プレーフィーの優待をはじめ、来場ごとのスタンプ特典や会員限定の競技会など、特典は多岐にわたります。
うぐいす倶楽部の基本情報(2025年度)
・会員期間:2025年4月1日~2026年3月31日
・年会費:33,000円(税込)
・新規入会金:16,500円(税込)
・対象コース:武蔵丘ゴルフコース/新武蔵丘ゴルフコース
・入会条件:「Selbu Prince Global Rewards」会員登録が必要
プレーフィーの優待
会員価格でのプレーが可能です。
セルフプレーやキャディ付きのプランも、通常より割安で提供されます。
武蔵丘・新武蔵丘の両コースが対象で、通年で適用されるのが大きな魅力です。
会員限定の競技会に参加できる
毎月、うぐいす倶楽部の会員だけが参加できる競技会が開催されています。
レベルを問わず参加できる雰囲気があり、腕試しにも最適です。
来場スタンプで特典が増える
1回の来場でスタンプが1つ押され、誕生月にプレーすればスタンプは2倍になります。
貯まったスタンプに応じて、優待やプレゼントに交換できる特典があります。
プレミアムメンバーとは?
より多くプレーしたい方や、上質なサービスを求める方向けに「プレミアムメンバー」制度が用意されています。
・年会費:121,000円(税込)
・追加特典:通常のうぐいす倶楽部にはない限定サービスや、さらに優遇された料金設定が用意されます。
入会手続きについて
入会申し込みは、郵送・FAX・メールに対応しています。
所定の申込書に記入後、年会費の支払いを済ませると、会員証と特典案内が届きます。
詳細はゴルフ場のフロントまたは事務局まで直接お問い合わせください。
武蔵丘ゴルフコースは日本には少ない高級パブリックゴルフ場
武蔵丘ゴルフコースは、武蔵野の自然林に囲まれた理想的な地形に広がる、雄大で戦略性に富んだ18ホールの林間コースです。
地形、地の利ともに恵まれた、日本では本当に数少ない、高級パブリックコスでもあります。
同じ埼玉県に所在する霞ヶ関カンツリー倶楽部や東京ゴルフ倶楽部は、敷居が高くて誰でもプレーできるわけではありません。
もし、あなたが高級ゴルフ場のメンテナンスや雰囲気を手軽に味わいたいと思ったら、迷わず武蔵丘ゴルフコースを指名するべきです。
1983年の開業以来、数々の女子プロゴルフツアーを開催し、幾多の名勝負の舞台となってきたことでも知られています。
このコースが一躍話題となったのは、1997年秋、プロデビュー直後のタイガー・ウッズが日本で初めてプレーしたゴルフ場となったときでした。
現在も6番から18番にかけて、当時の彼の飛距離を示すフラッグが残されていて、訪れたプレーヤーたちを驚かせています。
ティーイングエリアから見るフェアウェイは広く開放的で、一見やさしそうに映ります。
しかしその印象とは裏腹に、トーナメント仕様のコースは一筋縄ではいきません。
ティショットを放った快感のあとに待ち受けるのは、ラフ、傾斜、アンジュレーションといった繊細な攻略ポイント。
ゴルフの奥深さを味わえる設計です。
特にグリーン周りの構成が秀逸です。
砲台グリーンの周囲にはバンカーが配置され、しかもラフがフェアウェイ並みに短く刈られているため、グリーンを外すとボールは容赦なくバンカーへと転がります。
グリーンは複雑なアンジュレーションを備え、夏でも9~10フィート、秋には10フィートを超えるスピードに調整され、ライン読みの精度が問われます。
フェアウェイに沿ったラフは通常でも約65mm、トーナメント時は80mm前後と深く設定され、フェアウェイを外せば一気に難度が跳ね上がります。
また、「ロングホールはパーが取りやすく、ミドルホールはタフな印象」という声も多く聞かれます。
たとえばOUT5番(パー4)は、レギュラーティーから384ヤードの直線ホールですが、セカンド地点が左足下がり。
しかもグリーンは奥に傾斜していて、高いボールで正確に止める技術が求められます。
名物ホールの17番(パー4)は、レギュラーティーから403ヤード。
バンカーは一つもありませんが、グリーン手前に大きな池が口を開けています。
セカンドショットも左足下がりになる場面が多く、クラブ選択と構えの精度がカギを握ります。
このように、武蔵丘は一見やさしく見えて、プレーヤーに思考と判断、そして技術を求める懐の深いコースです。
特に毎年10月の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」直前には、コースがトーナメントコンディションへと仕上げられ、プロ同様の緊張感を味わう絶好の機会となります。
11月頃までその状態が保たれるため、ハイレベルなプレー環境を体験したい方には、この季節のラウンドがおすすめです。
樋口久子三菱電機レディスゴルフについて、詳しくはこちらの記事でどうぞ。
武蔵丘で筆者の体験:黒江コーチ主催のチャリティーコンペ
筆者はこのコースで行われた、元巨人軍V9時代の名ショート・黒江透修さん(のちに西武・ダイエーのコーチ)主催のチャリティーコンペに3度参加したことがあります。
参加者にはそれほどの有名人はいませんでしたが、黒江さんの友人関係が多く、中小企業の経営者が多かった印象です。
いつも200人規模での開催ですから、18ホール貸し切りでコンペは行われました。
西武ライオンズヘッドコーチ時代の実績がものを言って、名門を貸し切りにできたのでしょう。
武蔵丘ゴルフコースで長嶋茂雄さんを見かけたのは二度ありますが、二度ともコンペとは関係なくプライベートで訪れた時でした。
最初に見たときは、プロゴルファーの新井規矩雄さんと一緒にラウンドしていました。
スッと背が高くてスマートで、とても格好良かった印象が心に強く残っています。
静岡県の名門コース、ザ・ナショナルカントリークラブ(現在は違う名前)でお会いしたときは、練習場でお話をさせていただいたこともあります。
ありがとうございます、長嶋茂雄さん。
いま思えば、宝物のような体験でした。
決して忘れません。
武蔵丘ゴルフコースの料金は?
【平日】
・セルフプレー:15,000円~
・キャディ付き:18,000円~
【土曜】
・セルフプレー:27,000円~
・キャディ付き:35,000円~
【日曜】
・セルフプレー:24,000円~
・キャディ付き:32,000円~
●これはあくまでも目安です。
●季節や月の上、中、下旬などによって料金は変わります。
●詳しくはこちらで確認してください⇒公式サイト
武蔵丘ゴルフコースの概要
・所在地:埼玉県飯能市中山665
・公式サイト:https://www.princehotels.co.jp/golf/musashigaoka/
・ホール数:18ホール / パー72
・設計:西武鉄道株式会社
・開業:1983年
・特徴:武蔵野の自然と池を活かした戦略的設計、砲台&高速グリーン
武蔵丘ゴルフコース開催トーナメント実績
・マツダジャパンクラシック(1983、1985、1987、1988、1990、1992年)
・樋口久子 IDC大塚家具レディス(2004年~2010年)
・樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント(2016年~現在)
・タイガー・ウッズが日本で初プレー(1997年秋)
まとめ
「武蔵丘ゴルフコース」は、パブリックでありながら、名実ともに名門の風格を漂わせる特別なコースです。
長嶋茂雄さんをはじめ、各界の著名人が愛し、トーナメントの舞台としても輝きを放ち続けています。
戦略性に富んだレイアウトと上質なサービス、そして「うぐいす倶楽部」のような継続特典まで備えた本コースは、一度訪れれば忘れられない体験を与えてくれるはずです。