関西ゴルフ界の名門、鳴尾ゴルフ倶楽部。
かねてから憧れていたこの聖地で、ついにプレーする機会に恵まれました。
しかし、名門コースの牙城はそう甘くない……?
今回は、鳴尾GCの歴史やコース概要とあわせて、私自身のラウンド体験記を、ちょっぴりユーモラスにご紹介します!
鳴尾ゴルフ倶楽部とは?歴史と概要
鳴尾ゴルフ倶楽部の起源は明治末期から大正初期に遡ります。
英国人クレーン三兄弟と名設計家チャールズ・アリソンの手によって築かれた、日本で3番目に古いメンバーシップコースです。
最初は武庫郡鳴尾村に誕生した海浜コースでしたが、度重なる経済不況と土地問題により、昭和初期に現在地である猪名川沿いへと移転。
開場からわずか11ヶ月という驚異的なスピードで造成されました。
その後、アリソンのアドバイスを受けて大改造を実施し、戦略性と景観美を兼ね備えた、関西を代表する名門コースへと進化。
現在でも多くのゴルファーに愛され続けています。
全長約6,400ヤードと、現代基準ではやや短めながら、絶妙なバンカー配置と狭いフェアウェイがプレーヤーを苦しめます。
いざ、鳴尾GCでのプレー開始!
クラブハウスの玄関に立った瞬間、私は思わず背筋を伸ばしていました。
重厚な扉、磨き込まれた真鍮の取手、そして中から漂ってくる深い革張りソファの香り。
そこは単なるゴルフ場のクラブハウスではなく、まるで英国の古い社交クラブを思わせるような、格式高い静寂に包まれていたのです。
受付で名簿に名前を書き込む手も、心なしか震え気味。
歴史ある会員権保持者たちの視線を勝手に想像してしまい、必要以上に挙動不審になってしまいます。
ロッカールームに向かう廊下には、創設当時からの古写真やトロフィーが並び、”ここは伝統の中に生きる場所”だと静かに語りかけてきます。
思わず「これは気を引き締めねば…!」と自分に言い聞かせつつ、ゴルフシューズの紐を結び直しました。
肩に力が入ったままティーグラウンドへ向かう私。
目の前に広がるのは、緻密に手入れされたフェアウェイと、すっと伸びた松林。
しかし、それを堪能する余裕はゼロ。胸の鼓動はどんどん速まり、手のひらもじっとりと汗ばんできます。
「よし、気合いを入れていこう!」と気持ちを奮い立たせ、第一打に挑みましたが――
振り抜いた瞬間、「キーン!」と甲高い音だけがあたりに響き、肝心のボールは右へ右へと曲がりながら、無情にも林の中へ一直線……。
名門コースの洗礼は、これ以上ないほど鮮烈なかたちで私に襲いかかってきたのでした。
特に印象に残ったホール
5番ホール(パー3)
絶景の中に浮かぶアイランドグリーン。
クラブ選択に迷いすぎて、結局1番手大きいクラブを選びました。
結果、ピンハイどころかグリーン奥のラフへ。そこからの寄せも微妙でボギー発進。
でもこのホールの美しさは忘れられません。
11番ホール(パー4)
フェアウェイ右サイドに絶妙に配置されたバンカー群。
油断して「今日はドライバーで攻めるぜ!」と意気込んだ結果、見事にバンカーイン。
しかも、アゴが高い!泣きそうになりながらサンドウェッジで横に出すだけという屈辱を味わいました。
うまくいったホール
16番ホール(パー5)
このホールはなぜか集中力が高まり、ティーショット、セカンドともに完璧な当たり。
3打目のウェッジもピンそばにつけ、余裕のバーディパット成功!思わず小さくガッツポーズ。
ギャラリーがいたら、間違いなく拍手をもらっていたはずです(笑)。
失敗したホール
18番ホール(パー4)
「最後は華麗に締めよう」と思ったのが間違いでした。
ティーショットで力み、またしても右の林へ。
木の根元から無理に狙ったら、ボールは「コツン!」と音を立てて2メートルしか前進せず……。
結局、トリプルボギーでフィニッシュ。
名門コースへのリスペクトと畏怖を改めて実感しました。
まとめ:名門コースはやっぱり甘くない!
鳴尾ゴルフ倶楽部は、単なる「短めなコース」ではありませんでした。
クラシカルな設計の妙、バンカーとグリーンの戦略性、風の読みづらさ……すべてが一流。
ミスショットには容赦なく罰が与えられ、良いショットには応えてくれる、そんなコースでした。
今度訪れるときは、もっと冷静に、もっとスマートにプレーしたい。
……いや、また「林デビュー」する未来が見えるような気もしますが(笑)。