韓国系投資ファンドが所有していたアコーディア・ゴルフが身売りした。
買収したのはソフトバンクグループ傘下の米投資フアコーディアゴルフが買収され、ひどい混雑や最悪の評判から脱却できるか?ァンド、フォートレス・インベストメント・グループだ。
この買収劇はアコーディアの会員や一般ゴルファにとって朗報なのか、否なのか?
買収金額は4,000億円だが、この金額を分析するとおおよその答えは出る。
この記事では身売りしたアコーデアが運営するゴルフ場のひどい混雑ぶり、新たな買収先は最悪とも言える評判から脱却できるのか?に迫った。
アコーディアは4,000億円で買収されて、悪評を払しょくできるか?
アコーディア・ゴルフの関連キーワードをGoogleで検索するとネガティブワードが次々と出てきます。
『ひどい』『混雑』『最悪』『悪評』『詰め込み過ぎ』等々です。
ダイヤモンドオンラインのアンケート『二度と行きたくないゴルフ場』でも、アコーデア運営のゴルフ場名が数多く挙がっています。
評判の悪い理由は単純明快だ。詰め込み過ぎですね。
ソフトバンクグループ傘下米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループの買収によって、この悪評から脱却できるのか?
結論を言いましょう。答えは『NO!』。
買収額は4,000億円にのぼります。
韓国系のMBKパートナーズが2016年から行ったTOB(株式公開買い付け)によって、アコーディア・ゴルフは非上場化されました。
したがって、アコーディアの決算報告書が公開されたのは2016年度が最後です。
この時点でアコーデアは137コースを運営していて、最終利益が約7.5億円でした。
現在は169コースを運営しているので、かなり多めに見積もって利益を10億円としましょう。
仮に買収金額の4,000億円に対して元を取るとしたら400年かかる計算になります。
したがって営業利益で元を取ることは、最初から度外視されています。
では、何が目的でフォートレス・インベストメント・グループは4,000億も投資したのか?
アコーディアの企業価値、資産価値を上げて転売し、利ザヤを稼ぐために買収したのです。
再度、株式を上場することも経営陣の視野には、当然入っていることでしょう。
ちなみに前所有者のMBKパートナーズはTOBに1,500億円を投じて全株式を取得しています。
わずか6年ほどで2,500億円の利益を生んだ計算になります。
ファンドとは簡単に言ってしまえば、投資家から集めた資金を企業や不動産、金融商品等に再投資して、売却によって得られたリターンを配分することです。
したがって、フォートレス・インベストメントはアコーディア・ゴルフに対して4,000億投資したのですから、今後100億や200億の利益を上乗せして転売したとしても成功例とは見られないでしょう。
アコーディアを買収したファンドが利益のためにやることは、大きく3つに絞られるでしょう。
・集客をさらに強化して営業利益の拡大を図る
・さらにゴルフ場を買収して数のメリットを追求し、企業価値、資産価値を上げる
・会員募集によって売り上げを伸ばす
つまり、これまでと何ら変わらないと言うことです。
早朝スループレー、早朝ハーフ、午後スループレー、アフターヌーンプレーをやったうえで、一般的なプレーもする。
アコーディアはこれをすべて一つのゴルフ場で行うのですから、スムーズにまわるなんて不可能です。
ハーフ3時間で昼の休憩が2時間が当然になってしまいます。
だが、ビジターで行くならまだ良しとしましょう。
行きたくなければもう二度と行かなければ済むのですから。
話しのタネになるし次に行くゴルフ場が、実際よりも名コースに感じられるメリットもあります。
悲劇なのはアコーディアの会員権を買う人です。
日本の学校は、お金にまつわることはあまり教えません。
特に投資や金融に関する教育は皆無と言えます。
したがって、大人になってもファンドの意味を全く理解しない人が多いですね。
アコーディアは会社創業以来ずーっと、ファンドの支配下にあります。
ファンドが支配するゴルフ場にメンバーシップが成立するわけがないのです。
投資家に高配当をしければならないファンドは利益追求が当たり前であり、それが設立の目的なのです。
メンバーシップを確立して会員を優遇する余裕などありません。
ゴルフ場はビジターを入れて稼ぐか、会員募集で金を集めなければ利益が出ない仕組みになっている。
メンバーは年会費の供給元として重宝がられるだけです。
ですから、ハイシーズンやトップシーズンでメンバーが優遇されることはありません。
そのような時期こそ、ゴルフ場にとっては書き入れ時。
ビジターを入れるだけ入れてファンドは利益を出させるのです。
公表された2016年度の決算からは、さらに厳しい現状が読み取れます。
アコーディアが出した利益と集めた年会費の総額が、ほぼ同じ水準だと言うことが推定されるのです。
これは何を物語るかというと、アコーディアはあれほどぎゅうぎゅう詰めにしても、ビジターの売り上げだけでは利益が出ない構造になっている可能性が高いと言うことですね。
会員募集による入会金とメンバーの年会費抜きには経営が成り立たない。
だから、今後も延々と会員募集は続くと思われます。
特に首都圏や大阪、神戸、京都などの大都市周辺の会員権購入は、アコーディアに寄付をするようなものです。
もし今、あなたがアコーディアの会員権購入を検討しているならば、ファンドとは何かをもう一度確かめてから行動してください。