2021年マスターズ優勝の偉業を成し遂げた松山英樹選手。
2025年シーズンもハイレベルな世界で戦い続ける彼のクラブセッティングには、飛距離・操作性・打感のすべてにおいて高いこだわりが見てとれます。
本記事では、松山英樹選手の最新クラブセッティングと各クラブの特徴を詳しく解説します。
注:プロは頻繁にクラブ調整を行います。
したがって記事と実際使用するギアセッティングとは異なることがあります。
ドライバー|飛距離と安定性を両立した信頼のエースクラブ
クラブ名:スリクソン ZX5 Mk II(9.5度)
2025年シーズン、松山英樹選手がエースドライバーとして使用するのが、スリクソン ZX5 Mk II(9.5度)です。
このモデルは460ccの大型ヘッドでありながら、フェース面積がややコンパクトに見える設計で、構えたときにターゲットに向けやすいのが特徴です。
最大の魅力は、低スピンかつ高初速を生み出す「REBOUND FRAME Mk II」構造。
フェースのたわみを効率よくエネルギーに変換し、ミート率が高くないショットでも飛距離のロスを最小限に抑えます。
また、スイートエリアが広く設計されているため、ツアープロだけでなくアマチュアにも扱いやすいバランス性能を持っています。
松山選手がこのドライバーを選ぶ最大の理由は、安定したフェードボールが打てる点にあります。
ティーショットでは、持ち球であるフェードを確実に再現しやすく、左へのミスを抑えることでフェアウェイキープ率が向上。
加えて、9.5度というロフト設定とハードなシャフトとの組み合わせにより、風の強い海外ツアーでも球が浮きすぎず、抑えた強弾道を実現できます。
シャフトにはトルクを抑えたツアー系モデル(例:Graphite Design Tour AD DIやDiamana)を組み合わせることが多く、タイミングとスピードコントロールに優れたスイングテンポを支えています。
このドライバーセッティング全体から、飛距離と方向性を極限まで両立させるプロのこだわりが感じられます。
フェアウェイウッド|多彩なショットに応える中・長距離の武器
◎テーラーメイド Qi10 フェアウェイウッド3番(15度)
◎コブラ RADSPEED Tourフェアウェイウッド5番(17.5度)。
松山英樹選手が愛用するテーラーメイド Qi10 フェアウェイウッド(3W・15度)は、ツアープロからも絶大な信頼を得ているモデルです。
特に中・長距離での精密なショットコントロールを必要とする場面で、その性能が真価を発揮します。
このクラブ最大の特長は、低重心かつ深重心を両立させた「Vスチールソール設計」にあります。
この設計により、フェアウェイからの抜けが非常に良く、芝との接地抵抗が少ないため、安定した高弾道・高スピンのショットが可能になります。
グリーンを直接狙うセカンドショットでも、球がしっかり止まるという信頼感があります。
フェース素材には高強度のC300マレージング鋼が採用されていて、反発性能が高く、ボールスピードが出やすい設計。
フェース下部でのヒットでも飛距離のロスを最小限に抑える点も、ツアーの厳しいライで戦う松山選手には大きな武器となっています。
松山選手はこの3Wを、パー5の2打目でグリーンを狙う場面はもちろん、狭いホールのティーショットでも使用。
スティンガーのような低弾道から、高く上げて止める高弾道まで打ち分けられるため、一本で多くの戦術をカバーできます。
また、Qi10 フェアウェイウッドのツアーモデルは操作性にも優れ、フェードやドローの弾道を自在にコントロールできる点もプロの要求に応える要素。
松山選手のようなショットメーカーにとって、非常に信頼性の高いクラブと言えるでしょう。
他にコブラ RADSPEED Tourフェアウェイウッド5番の17.5度も使用。
ユーティリティ|中距離ショットの安定感と高さを両立
◎クラブ名:スリクソン ZX Mk II ハイブリッド(19度)
松山英樹選手が使用するスリクソン ZX Mk II ハイブリッド(19度)は、ロングアイアンの代替として非常に優れたパフォーマンスを発揮します。
特に風の強い海外ツアーでの使用を想定し、打ち出しの高さと安定性の両立を重視した設計が特長です。
このユーティリティは、フェースの高初速エリアを広げた「REBOUND FRAME」構造を採用し、オフセンターヒットでも飛距離のブレが少ないのが魅力です。
また、重心が深く設計されているため、球が上がりやすく、高弾道でグリーンを狙うショットに安定をもたらします。
長いパー3や、パー5の残り200ヤード前後のセカンドショットなど、プレッシャーのかかる状況で狙う信頼の一本。
ミスの許容度が高いのも特徴の一つです。
このユーティリティアイアンは、ハーフスイングでも高さを出せるので、ショットのバリエーションが広がります。
風に対する強さと高さの両立を実現する、戦略的な中距離用武器です。
アイアン(4番〜PW)|正確無比なショットを可能にする操作性重視モデル
クラブ名:スリクソン Z-FORGED II(軟鉄鍛造)
松山英樹選手のアイアンセットは、スリクソン Z-FORGED IIで構成されています。
これは軟鉄鍛造のマッスルバックモデルで、極上の打感と高い操作性を兼ね備えたツアープロ向けのクラブです。
一打一打に神経を使う松山選手にとって、スピン量を自在にコントロールできることは絶対条件。
このアイアンはその要求に応えるべく、フェース面の平滑性と重心バランスに徹底的にこだわった設計が施されています。
番手別にロフト・重心を最適化することで、番手間の飛距離ギャップが明確になり、距離感のブレを最小限に抑える設計思想が活かされています。
また、シャフトにはツアー系の重量モデル(例:ダイナミックゴールド)を組み合わせることで、コントロール性能を最大化しています。
松山選手は特にこのアイアンで、フェード・ドローの打ち分け、スピン量の操作、そして高さの調整といったテクニックを駆使しています。
グリーンが小さいケースや硬いコンディションでも、意図通りにボールを止められる完成度の高いセッティングです。
ウェッジ|フィーリングとスピンを極めた短距離クラブ
クラブ名:クリーブランド RTX 6 ZIPCORE(52度、56度、60度)
松山英樹選手のウエッジは、クリーブランド RTX 6 ZIPCORE52度・56度・60度の3本体制になっています。
ショートゲームの名手として知られる松山選手にとって、このウェッジ構成は状況に応じたスピンコントロールと打ち分け精度を支える重要な役割を担います。
RTX 6 ZIPCOREは、フェースの溝をよりシャープに設計することで、ラフやウェットなライでも安定して高いスピン性能を発揮します。
また、ヘッド内部に高比重素材を配置するZIPCOREテクノロジーにより、重心位置を最適化。
これが柔らかい打感と一貫した飛距離感を生み出す要因となっています。
松山選手は、これらのウェッジを使い分けることで、ピッチショット、ロブショット、バンカーショットなどあらゆる状況に対応。
特に60度のロブウェッジは、深いラフや砲台グリーンに対しても繊細なタッチで寄せられる心強い味方となっています。
また、フェースを開いたショットでもスピンがしっかりかかる設計のため、様々なライから安定したアプローチを可能にします。
松山英樹選手のアプローチ精度が高いのは、このクラブ選択にもよるのです。
パター|繊細なタッチを引き出すブレード型の信頼感
クラブ名:スコッティキャメロン Newport 2 GSS
松山英樹選手の使用パターは、多くのツアープロが使用するスコッティキャメロン Newport 2 GSSです。
伝統的なブレード型でありながら、彼独自のフィーリングに合わせた細かなチューニングを施しているのが特徴です。
このモデルは、高級ステンレス素材「German Stainless Steel(GSS)」を採用しており、打感の柔らかさと反応の良さが抜群。
フェースの厚みや重量バランスも微調整されていて、距離感とライン読みを重視する松山選手の繊細なパッティングにマッチしています。
構えた時の見え方、打ち出しの再現性、転がりのスムーズさ。
あらゆる面で「信頼できる相棒」と言える一本です。
まとめ|世界で戦うための“勝てるセッティング”のすべて
松山英樹選手のクラブセッティング2025は、飛距離・操作性・スピン・打感のすべてを高次元で成立させるツアープロ仕様の構成です。
ドライバーでの安定したフェード、フェアウェイウッドでの高弾道ショット、ユーティリティの汎用性、軟鉄鍛造アイアンによる正確なコントロール、ウェッジのスピン性能、そしてパターでのタッチ感——すべてのクラブが彼のプレースタイルとパフォーマンスを支えます。
このセッティングは、アマチュアゴルファーにとっても参考になるでしょう。
「自分のプレースタイルに合うクラブを選ぶこと」の重要性を、トッププレーヤー松山英樹が証明していると言えます。
ゴルフの上達を目指すなら、松山英樹選手のクラブ選びや使い方を参考にしてください。
自分のセッティングや練習法にも新たな気づきを得られるはずです。