国内女子ゴルフツアーの『資生堂レディス』最終日が6月4日、神奈川県戸塚CC:6570ヤード、パー72で行われ鈴木愛選手が優勝した。
17勝目のこの日まで勝利から遠ざかっていた1年8ヶ月は、彼女にとって本当に長かったのだろう。
「もうゴルフをやめようかと思ったことさえ・・・・・あった・・・」
涙が止まらない。
女王・鈴木愛がここまで苦しんでいたと知って、勝負とは何と厳しいものなのかを改めて認識させられた。
だが、これで吹っ切れて強い鈴木愛が戻って来るだろう。
オリンピック出場は逃したけれど、『鈴木愛健在』を示した大会だった。
オリンピック出場は逃したが、鈴木愛は賞金女王はまだあきらめない?
鈴木愛選手は1994年の5月7日生まれだから、黄金世代のメンバーより約4歳年上だ。
黄金世代では勝みなみ選手の5勝が、国内女子ツアー勝利数で最も多い。
対して鈴木愛選手は17勝を誇っている。
これは大変な数字だ。
プロゴルフ界では20勝が超一流の目安とされる。
これまで女子ツアーで20勝達成者は樋口久子さんの69勝を頂点に16人、男子は尾崎将司さんの94勝が最高で11人しかいない。
鈴木選手は20勝まで残り3勝で完全に先が見えているけれど、4歳若いとは言え黄金世代はまさに五里霧中と言える状況だ。
女子選手はアメリカツアーへ挑戦する選手が年々増えて、国内ツアーの勝利数は以前ほど重みをもたなくなってはいるが、それを差し引いても17勝はやはり偉大な数字だと言えるでしょう。
資生堂レディス最終日、鈴木愛選手は首位と1打差の2位で迎えた16番パー5、残り95ヤードからの第3打を直接放り込むスーパーイーグル。
胸に手を当てて自分でもビックリする一打で単独首位に立った。
残り2ホール17番、18番は1.5メートルのしびれる距離のパーパットが残った。
一つでも外せば2位の西郷真央選手に並ばれる状況だったが、落ち着いていた。
2ホールともパーをセーブし、そのまま逃げ切った。
2017年と2019年に賞金女王に輝いた実力者も、2020、2021年が統合された今季はここまで勝利なしと苦しんだ。
いや、賞金女王を2度まで経験した実力者であるがゆえに1年8ヶ月に及ぶ勝利の空白は、より長く苦しいものに感じられたのだろう。
「練習してるのに、なんでこんなショットしかできないんだろう。意味ないじゃん」
何度もそんな思いに襲われた。
それでも練習の虫は「1試合ずつ良くなってきている」と自らに言い聞かせ、ゴルフに正面から向き合ってきた。
今年は上田桃子選手、笠りつ子選手、青木瀬令奈選手、菊地絵理香選手等が数年ぶりの優勝を果たしている。
その姿に勇気をもらいながら鈴木選手は「次は私」と歯を食いしばった。
決して逃げなかった姿勢でつかんだ1勝だった。
残念ながら、東京オリンピック出場は逃したが、鈴木愛選手は2020~2021年シーズンの賞金女王は諦めていない。
現在トップの小祝いさくら選手や2位に付ける稲見萌寧選手は、これまで一度も賞金女王になったことはない。
プレッシャーが半端ではないツアー終盤の競り合いに持ち込めたなら、女王経験者の鈴木選手にもチャンスはある。
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東京オリンピック ゴルフ日本代表女子・鈴木愛が有力
鈴木愛選手が2019年3月17日、高知県の土佐CC 6228yd・パー72で行われた、ヨコハマタイヤPRGRレディス 最終日に5バーディ、1ボギーの68で回り、今シーズン初勝利を挙げた。
これで国内賞金ランキング2位、世界ランキング27位となった。
東京オリンピックのゴルフ代表を目ざしている鈴木は、オリンピックゴルフランキングのカウントが始まった昨年7月から、常にランク20位以内と安定した位置にいる。
シーズン開始早々に一勝を挙げ、この調子で2年ぶりに国内賞金女王の座を奪還すると、東京オリンピックのゴルフ代表が完全に視野に入ることになる。
東京オリンピックのゴルフ代表をめぐる女子は、畑岡奈紗がトップを独走しているが2番手争いは激戦である。
鈴木愛も男子の今平周吾と同じく身長は高いといえない、155㎝である。
彼女のスイングの最大の特徴はティークバックからバックスイングにかけて。
スイングの始動からフィニッシュにかけて頭が左右へ大きく動くが、これは長年かけて作り上げてきたものであり、彼女にとっては自分の体に合った自然な動きなのである。
155センチの体で飛ばすためのポイントは、テークバックで胸を右ひざの上に乗せるようにしっかりと右足に加重している点と切り返しだろう。
目標方向に背中が向くまで深くバックスウィングをとり、切り返しでは左のお尻がやや早めに目標方向に踏み込んでいく。
これにより上半身と下半身の捻転差がしっかりと作られ、強い回転力がヘッドを通じてボールに伝わるのだ。
アマチュアには、とても参考になるバックスイングと切り返しですね。
特に上半身から切り返すクセのある、あなたには参考にしていただきたいと思います。
東京オリンピックのゴルフ代表入りを目ざしている鈴木は、飛距離アップのためにやはり特別な練習を積んでいるようだ。
野球の重いバットを使い最初はヘッドを下にして振り、次に握っている手を下にして振る、これを交互に繰り返す練習を欠かさないのだと言う。
そうすることでヘッドスピードが上がり、飛距離UPにもつながる。
ぜひ、あなたも練習はドライバーばかりを使わずにバットで素振りをしてみてください、と東京オリンピックのゴルフ代表候補の鈴木愛は言っています。
アマチュアにパターをショートしてしまう傾向が多く見られるのは、フォローが雑だと鈴木愛は言いいます。
フォローをしっかり取ってやることで、ボールの転がりが良くなりショートが少なくなる。
ただし、フォローに意識が向きすぎると気持ちもフォームも緩んでしまいがちなので、フィニッシュの形もしっかり意識すると、ボールがまっすぐに転がりやすくなるのだと言う。
東京オリンピックのゴルフ代表候補である鈴木愛プロのレッスンは、とてもやさしいくて分かりやすいですね。
将来的には、シーズン20勝を目指していきたいと、東京オリンピックのゴルフ代表候補である鈴木愛プロは言う。
日本の女子プロゴルフ史上年間最多の勝利数は、2003年に不動裕理が挙げた10勝である。
本当にすごい数字だと思うのであるが、東京オリンピックのゴルフ出場を目指す鈴木愛には、それを超えていって欲しいと願うのである。
日本男子の過去の最高記録は尾崎将司(1972年)、中嶋常幸(1983年)の9勝である。
また米PGAツアーの記録は1945年、バイロン・ネルソンによる18勝という記録が残っている。
2位のサム・スニードでも11勝(1950年)というから圧倒的大差での1位。
年間最多勝8度のあのタイガー・ウッズでさえ最高記録は2000年の9勝である。
つまり、東京オリンピックのゴルフ出場を目指す鈴木愛が年間20勝を達成したら、世界一でギネスブック登録間違いなしと言うことなんです。
さて、鈴木愛選手ですが日本の女子プロゴルフ界は、年々レベルが上がってきてライバルが大勢後を追いかける。
そんな中にあって、東京オリンピックのゴルフ競技にぜひ出場してもらいたい、鈴木愛の最大の強みは負けん気だろう。
日本のプロゴルフ界なのだから、やはり日本人選手が強くなければ盛り上がらない、との思いが非常に強い選手である。
東京オリンピックのゴルフ競技出場を目指す、鈴木愛選手は決して順風満帆のエリートではない。
徳島県出身で4人兄弟の次女である。
ゴルフは11歳のときに始めて、ジュニア時代は中学3年で四国女子アマを制したこともあるが、それほど注目を集める選手ではなかった。
東京オリンピックのゴルフ選手候補の鈴木は、徳島県の中学校を卒業するとゴルフ部が新設されたばかりの鳥取県倉吉北高校に進んだ。
鈴木のために家族6人全員で引っ越したが、ゴルフ部員は鈴木と男子部員1人だけ。
しかも、ゴルフ部の監督にになるはずの人が学校を辞めてしまい、中学校時代のコーチが不定期で教えに来るという状況であった。
高校の練習場は30ヤードしかなく恵まれた環境にはほど遠かったが、しかし鈴木はくじけなかった。
途中からゴルフ経験のある鈴木のお父さんがアルバイトの傍ら、コーチに加わりお母さんは学校の食堂で働いていたという。
一家は娘の愛にすべてをかけて、みんなで働きながら支えたのである。
ジュニア時代は決して練習好きとは言えなかった東京オリンピックのゴルフ代表候補鈴木愛であるが、そんな家族の苦労に報いるべく、今ではすっかり練習の虫になった。
人は誰でも、外見からは計り知ることのできないドラマを隠している。